レールを3本敷くこともある…奥深い線路の「レール」の話
乗り鉄、撮り鉄、駅鉄、時刻表鉄など、さまざまな楽しみ方がある「鉄道」追究すればするほど、新たな側面が見えてきて、「鉄道」の魅力には限りがありません。歴史、技術、鉄道の種類、高速鉄道、運用のしくみ……。車両や線路だけでなく、運用のメカニズムまで徹底的に解説した『最新図解 鉄道の科学 車両・線路・運用のメカニズム』(ブルーバックス)から、特におすすめのトピックを紹介していきます。 【画像】 「ドクターイエロ―」に代わって営業用車両でも検測…線路保守の最新技術 今回は、線路の要ともいえる「レール」について解説していきます。 ※この記事は、『最新図解 鉄道の科学』の内容を再構成・再編集してお届けします。
「レール」の断面は独特な形
前回の記事では、「軌道」の種類について解説しました。次に、軌道に使われるレールの構造を見ていきましょう。 レールの断面は、上下が非対称になった独特な形状になっています(図)。 このうち、車輪と接触する部分を「頭部」、まくらぎと接触する部分を「底部」と呼びます。「頭部」は、車輪との接触によって摩耗しやすいので、「底部」よりも幅が狭い代わりに分厚くして、長持ちするようにしてあります。 いっぽう「底部」は、レールに水平方向にかかる力が働いても倒れにくいように「頭部」よりも幅が広く、薄くなっています。これは、まくらぎと接触する部分の面積を広げて、まくらぎにかかる力を分散させるためでもあります。 レールの大きさは、「50kgレール」などというように、通常1mあたりの重量で示します。重いレールを採用すると、スピードアップや乗り心地の向上、騒音や振動の低減が図れるので、列車の運転本数が多い路線では重いレールがよく使われます。 レールの長さは、25mが標準となっています。このため、長さが25mのレールを「定尺レール」、これより短いレールを「短尺レール」、そして25m以上200m未満のレールを「長尺レール」と呼びます。また、複数のレールを溶接して長さを200m以上にしたレールを「ロングレール」と呼びます。