「資本主義」は社会の発展に不可欠な必要悪? 仮面ライダーと対峙するショッカー戦闘員が妙に貧弱に見えるワケ(前編)
当時の私が仮になにかの間違いでちびっ子女子プロレス社長となり、「クラッシュギャルズを虐める悪者は許せん!」と極悪同盟を追放、リング上に平和な環境を構築してしまっていたら、女子プロレスの人気は一気に冷めてしまったに違いありません。そしてチケットも売れず業界全体が大不況となったところで、「ああ、極悪同盟こそがプロレス界を支えていた、必要悪だったのだな……」と気付き、大変な後悔をしたことでしょう。
「資本主義」の排除による大きな代償
社会主義を採用し、そして貧乏になっていった国々は、まさにそのような流れ(ちびっ子社長の妄想経営のような愚かな流れ)を辿ったのです。 マルクスやレーニンなどの社会主義者たちは、資本主義あるいは資本家を「排除されるべき悪」と断定していたわけですが、実はそれらは社会の発展のために不可欠な必要悪だったんです。 多くの社会主義国はそれに気付き、結局資本主義へと回帰することになりました。でもその頃にはもう他の国と経済的に埋められない差がついていたり、あるいは国がバラバラになってしまったりと、大きな代償を払うことになったのです。 そんなわけで、資本主義を悪だと断定した社会主義が失敗することによって逆に資本主義の良い部分があらためて浮き彫りになる、というなんだかどこかの国のいつかの政権交代を思い出させるような皮肉な展開になったのですが、では、「資本主義の良い部分とはなにか?」について、もう少し見ていきたいと思います。 今さらですが、ざっと説明をしますと「誰でも土地や工場や機械や人材などの生産手段(資本)を持ち、それを使って商売をすることが許されている制度」を資本主義と言います。要するに「自由にお金儲けしていい」のが資本主義。反対にそれが許されずすべて国に管理されるのが社会主義。 自由にみんなが商売をすることでどんな良いことがあるかというと、なんと言っても「一人一人のパフォーマンスが向上する」のです。その理由は「競争して切磋琢磨するから」でもあるし、もうひとつ似ているようで新しい視点を出すと、「手を抜く要因が排除される」からでもあります。 資本主義は自由なので「個人個人で独立して勝手に頑張れる」わけですが、実はこれがすごく大事なんです。なぜならば、人間というのはなにかを「みんなと一緒にやる」と、必ず手を抜くようにできているんです。
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