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ムーミン「ダメな部分」も魅力 ニョロニョロ・おさびし山…「名訳」も 原作者と交流、編集者が語る秘密

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北欧生まれのキャラクター「ムーミン」は、長い歴史を経て日本での存在感が大きくなっています。ただ、グッズを持っていたり、アニメを見たことがあったりする人は多くても、本には触れたことがないという人も意外といるかもしれません。今は、表現が読みやすくなった新しい小説が世の中に出ています。小説の魅力を、ムーミンに30年関わってきた編集者と出版している会社の担当者に語ってもらいました。(朝日新聞デジタル編集部・影山遼) 【画像】距離をとったムーミンバレーパーク 新聞で見る、アニメの初回放送日が同じムーミンとサザエさん

眠れないムーミンに勇気をもらった

全ての始まりは、フィンランドの作家トーベ・ヤンソンさん(2001年に86歳で死去)が1945年、母語のスウェーデン語で書いた小説「小さなトロールと大きな洪水」です。 日本に初めてムーミンが登場したのは1964年。講談社の「少年少女新世界文学全集」の北欧編の一編として、「ムーミン谷の冬」が収められていました。3年前まで約30年にわたって小説などの編集に担当として携わり、現在はフリーの編集者として働く横川浩子さんが、日本で出版された経緯を教えてくれました。 それは、北欧文学や神話を専門としていた翻訳家の山室静さんが、取材で訪れたストックホルムの本屋で見つけたムーミンの本を「面白い」と考え、訳したものを講談社の編集者に託したことが発端でした。 山室さんはかつて「あるものはいかにもむじゃきで愛らしく、あるものはまたぶきみで、ふしぎな性質をもっています。それらの動物が、いかにもいきいきとかつやくするところ、まことにふしぎな、たのしいお話です」と記しています。 当時は高度経済成長期。家庭に全集をそろえるのが出版社の販売戦略だったこともあり、ムーミンの載った全集はじわじわと広まっていきました。豆知識として、最初に出版された1964年の本の挿絵はトーベさんのものでなく、日本の画家の池田龍雄さんが描いたものでした。 「ムーミン谷の冬」はムーミンシリーズの転換となった作品ともされています。北欧の厳しい冬の描写をリアルに描いた作品。11月~翌4月まで冬眠するムーミン一家の中で、1人だけ目覚めてしまったムーミントロールは「世界中が冬眠しちゃったんだ」と思ってしまいます。記者も初めて1人で寝るようになった小学生の頃、夜が怖くて眠れない日がありました。そんな時に読んだこの本で「ムーミンも眠れなくなることあるんだ」と勇気づけられた記憶がいまだにあります。

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