他人の評価が気にならなくなるアウトプットの考え方
働き方の多様化が進んでいる今、「仕事」の概念も変わりつつあります。特にこれからの若手社員は、これまでの概念にとらわれず、次の時代の「仕事」に向けて自ら学び実行していくことが求められるでしょう。そこで今回は、実際に独学を行い学んできたことを著書でアウトプットしてきた文筆家・千田琢哉さんの新刊『「独学」で人生を変えた僕がいまの君に伝えたいこと』(青春出版社)から、独学で学んだことを効果的にアウトプットするための考え方を紹介します。 ● 重要な情報が欲しければ、自分の持っている情報もさらけ出すこと 大学時代に読んだ本の中で、すでに鬼籍に入った某証券アナリストがとっておきの情報を獲得するためのコツを教えてくれた。彼は各業界トップとの人脈も豊富であり、「なぜそんなことまで知っているの?」と驚愕されていたことで有名な人物だった。 それは、質の高い情報が欲しければ、自分も質の高い情報を発信すればいいとのことだった。確かにこれ以上の教訓はないだろう。私も経営コンサルタント時代にわかったのは、極秘情報というのはお金では絶対に買えないことだ。なぜなら極秘情報は命を狙われる可能性があり、お金よりも大切なものだからである。 さすがに具体名は出せないが、様々な大企業の倒産や有名人の逮捕劇というのはかなりの確率で仕組まれていることが多い。人気就職ランキング入りを果たしていて株価も順調だった超一流企業が、突然流れが変わって雲行きが怪しくなり自主廃業や民事再生に陥ることがある。
他にも同じことをやっている人間はいくらでもいるのに、なぜかその人だけが逮捕されて吊るし上げられることもある。あれは運が悪かったからではなく、権力者たちの気分を害した結果であることが多い。 すでにお気づきのように、その人に集まる情報というのはその人が発信した情報に比例するのだ。私が活字や音声で情報を発信し続けて一番楽しいのは、発信する私に情報が集まるからである。質の高い情報をたくさん発信すれば、質の高い情報がたくさん集まる。 つまり、新しい情報をゲットしたければ、あなたも新しい情報を発信しなければならないのだ。まずはあなたの情報を吐き切ることだ。吐き切ることで自分のちっぽけさがわかる。呼吸と同じで大切なのはまず吐き切ることなのだ。そして吐き切れば次は勝手に吸い込むことができる。自分がいかに空っぽなのかが理解できれば、本能がインプットを望むようになるのだ。 活字や動画だけが教材ではなく、この世のあらゆる事象、森羅万象があなたの教材になる。ネット上であなたが何かを発信し始めると、毎日がネタ探しで忙しく、楽しくなるだろう。 ● 世間が薄々感じていたことを言語化できると人とお金が殺到する 私の紙書籍は本書で173冊目(文庫版・共著等含めると193冊、海外翻訳版40冊超)となり、この他に出版社経由の電子書籍、個人のPDFダウンロードサービス、音声ダウンロードサービス等でコンテンツを発信している。 複数の個人や会社から「どうすれば継続してそんなに成果を出し続けられるのか?」という問い合わせが頻繁に届く。特別に何か斬新なことをやっているわけではなく、シンプルに私の理念を徹底して貫いているだけだ。 私は“タブーへの挑戦で、次代を創る”をミッションとして生きている。私の発信しているコンテンツは表現や手段は違ってもすべてこの使命を淡々と果たしているだけだ。 要はみんなが薄々感じていたことを言語化しているのだ。建前に埋もれてしまった化石人間にとっては、私のコンテンツは過激と受け取られることもある。 記憶は小学生の頃に遡るが、同級生たちを観察しているうちに揺るぎない仮説を打ち立てた。その仮説とは「遅い足が速くなることもなければ、悪い頭が良くなることもない」というものだった。