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歴代米大統領の訪英が物語る「特別な関係」

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The Guardian

【記者:Caroline Davies】  英ロンドン中心部の通りを数万人の群衆が埋め尽くし、儀礼飛行に大歓声を上げる。チャリングクロス(Charing Cross)からバッキンガム宮殿(Buckingham Palace)まで続く「見事なほど多くの旗」の下で押し合いへし合いする人々が「ウィルソン! ウィルソン!」と繰り返し叫ぶ。これは英紙ガーディアンが伝えた当時の米大統領、ウッドロウ・ウィルソン(Woodrow Wilson)の英国訪問時の様子だ。  ウィルソンは約100年前、現職の米大統領として初めて英国を訪問した。それ以来、両国の「特別な関係」は一進一退してきた。そして米大統領が訪英時にどれほど温かい歓迎を受けるかが、その時の2か国の関係を判断する材料ともなっている。  ウィルソンが到着した1918年のボクシング・デー(Boxing Day)には、英国は第1次世界大戦後の祝賀ムードにあふれていた。ウィルソンは馬車に乗ってバッキンガム宮殿前の大通りザ・マル(The Mall)をパレードし、沿道に並んだ2万人の兵士の持つ「銃剣が12月の日差しにきらめいていた」。2日間の滞在中、ロンドン、マンチェスター、カーライル(Carlisle)で祝宴が催された。  1世紀後、ドナルド・トランプ(Donald Trump)氏も道路を埋め尽くす多くの人々に迎えられた──ただし、この米大統領をおむつを着けた赤ん坊に見立てた「赤ちゃんトランプ」のオレンジ色の巨大バルーンの下で、抗議活動を行う人々にだ。  トランプ氏は2018年7月の3日間の訪英中、ブレナム宮殿(Blenheim Palace)での歓迎晩さん会や、ウィンザー城(Windsor Castle)でのエリザベス女王(Queen Elizabeth II)との茶会に出席。スコットランドのサウス・エアシャー(South Ayrshire)では、自身が所有するターンベリー(Turnberry)のゴルフコースで1ラウンド楽しんだ。だが、その旅程は抗議活動からトランプ氏を守り、隠すように計画されていた。英国民からこれほど歓迎されない米大統領は、ジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)氏以来だった。 「今となっては、トランプ氏に比べれば、ダブヤ(ブッシュ氏の愛称)はまるでエーブラハム・リンカーン(Abraham Lincoln)のように見える。米大統領に対する見方の変わりようは驚くほどだ」と、英ニューカッスル大学(Newcastle University)のマーチン・ファー(Martin Farr)氏(英近現代史)は指摘する。  1918年のウィルソン以来、12人の米大統領が英国を訪問している。連合国遠征軍最高司令官を務め、後に大統領となったドワイト・アイゼンハワー(Dwight Eisenhower)は、1959年8月に英国を訪れ、女王と面会をした初の米大統領となった。  アイゼンハワーとエリザベス女王の心温まる交流は、女王が後にアイゼンハワーに送った直筆の手紙からも見て取れる。その中で女王は「本日、新聞であなたがバーベキューグリルで焼かれたウズラの前に立っている写真を見て、バルモラル(Balmoral)で約束していたドロップスコーンのレシピを送っていないことを思い出しました。急いで送ります」と書いている。  ジョン・F・ケネディ(John F. Kennedy)が1961年に訪英した際には、空港からロンドンのウエストエンド(West End)まで50万人が沿道で出迎えたと報じられた。ケネディと妻のジャクリーンは見栄えのする2人だった。当時のカラー映像は、若く魅力的でカリスマ性にあふれる米大統領夫妻の様子を捉えている。

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