地方創生の新しい形。石川県小松市。地元学生が全国バウムクーヘン1位に輝いた老舗と手を組んだ理由
被災地能登のブルーベリーを中心に、石川県の豊かな食材がバウムクーヘンに
今回震災の影響のあった能登を中心に、金沢、小松の自然の恵みがバウムクーヘンに。まず紹介したいのが、被災地能登町の「ひらみゆき農園」のブルーベリー。被災地能登町の若き園主である平美由記さんは祖父から引継ぎ、石川県で最大規模のブルーベリー農園です。能登町柳田にブルーベリーが植えられ約40年、守り続けてきた農園が地割れや土砂災害に。そんな逆境にもめげずに、甘みと香りが濃厚な最高のブルーベリーを育てています。バウムクーヘンは、封を開ければ驚くほど香り豊かに仕上がっています。そして金沢は、きよし農園の柚子を使用した柚子が香るバームクーヘン。園主は多田礼奈さん。先に紹介したブルーベリーの「ひらみゆき農園」と同じく、祖父から引き継いだ若い園主が新しい挑戦に挑みます。農園の「きよし」は、多田さんの亡き祖父の名前から。香り高い“金沢ゆず“と、加賀野菜“ヘタ紫なす”を育て、「この地をゆずの名産地にしたい」「伝統野菜ヘタ紫なすを守りたい」と言っていたという祖父の想いを受け継ぐ形で、23歳のとき農園を引き継いだそう。バウムクーヘンに使用するのは、香り高い「金沢ゆず」。美味しさの秘密は、里山の寒暖差が作り出す、厚手でボコボコした皮。金沢の料理屋さんやレストランからも高い評価を得ている、素晴らしい柚子です。バウムクーヘンから香る、驚くほど品のいい香りはまるで「食べる香水」のよう。ぜひバウムクーヘンと柚子の新しい組み合わせを体験してください。最後に紹介するのは、就労支援施設「はまかぜ」が作った小松名産大麦を100%使用したバームクーヘンです。小松市の大麦の生産量は全国トップクラス。豊富に採れる小松産の大麦は六条大麦と呼ばれ、麦茶や麦飯用としてはもちろん昨今は市内のパン屋や菓子店でも使われています。栄養面では、食物繊維が豊富でビタミンB群、カリウム、カルシウムも含まれるなど体にうれしい栄養がいっぱいです。そして大麦の大きな特徴は、香ばしい香りと食感。バウムクーヘンが香ばしい麦の香りに包まれ、ほおばれば、まるでお出汁のようなうま味が広がります。少し小麦らしいざらっとした食感が、バウムクーヘンのしっとり感と絶妙に合います。