金沢・観音院で四万六千日 密避けトウキビ求め
金沢市観音町3丁目の真言宗観音院で27日、参拝すると4万6千日分の功徳があるとされる「四万六千(しまんろくせん)日(にち)」が営まれた。今年は新型コロナウイルスの影響で、縁起物のトウキビを自分で選んで買うことはできなかったが、多くの参拝者が御利益を求めて訪れた。
トウキビは家の軒下につるすと、魔よけや商売繁盛、子孫繁栄などの御利益があるとされる。今年は参拝者の減少を見込んで例年より千本少ない2500本を用意したが、午前6時半には列ができ、同9時半には売り切れた。
本堂には消毒液が置かれ、参拝者は間隔を取って順番に本尊を拝み「四万六千日」限定の御朱印を買い求めた。トウキビを並べた境内のテントには飛沫(ひまつ)の拡散を防ぐビニールシートが設けられた。例年は参拝者がトウキビを手にとって選ぶが、今年は多数の人が触れるのを避けるため、寺の人が一つ一つ手渡した。安念尚弘住職(47)は「予想以上の人出で驚いた。皆さんの協力で無事に行うことができた」と話した。
観音院の四万六千日は毎年旧暦の7月9日に営まれ、来年は8月16日に行われる。
27日の石川県内は高気圧に覆われ、気温が上昇した。正午までの最高気温は金沢34・8度、輪島34・1度など、観測全11地点で30度を超えた。金沢地方気象台は県内に高温注意情報を出し、熱中症に注意を呼び掛けている。
北國新聞社