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ドラマ『愛していると言ってくれ』を2020年に観る魅力とは何だったのか?

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GQ JAPAN

1995年に大ヒットしたドラマ『愛していると言ってくれ』(TBS系列)が、再放送され、話題になった。25年ぶりに観る“純愛ドラマ”の魅力を、マンガ家・コラムニストの辛酸なめ子さんが考えた。 【写真を見る】通信手段の違いが“純愛”を生む? 辛酸なめ子のコラム

アナログの通信手段だからこその“純愛”

25年ぶりに放映された『愛していると言ってくれ』(TBS系)の2020年特別版。北川悦吏子が脚本を担当し、俳優の豊川悦司、常盤貴子が主演を務めたドラマで、聴覚障害を持つ画家の青年、榊晃次と女優を目指す水野紘子の純愛を描いています。 特別版の最終回は第10回から第12回までの3話ぶんが放送され、感動の渦を巻き起こしました。今の時代にこのドラマがヒットする理由はどこにあるのでしょう……。 もちろん主演の“トヨエツ”の繊細な美青年ぶり、常磐貴子のピュアな美しさなどは今見ても引き込まれますが、悶絶するくらいの純愛ラブストーリーは今の世には希少かもしれません。ドラマ放映前の豊川悦司と常盤貴子のリモート対談では、「このドラマの普遍性は若い人にも受け入れられると思う」(豊川悦司)、「当時は携帯がなかったから。今、純愛ドラマは作りづらい時代」(常磐貴子)といったやりとりがありました。やはり通信手段が少ないということがすれ違いやなかなか会えない状況を生み出し、当時の恋愛を盛り上げていたようです。 通信手段がフィーチャーされたドラマというと、1993年に放映された『ポケベルが鳴らなくて』が、思い浮かびます。ポケベルの画面をじっと見つめる裕木奈江の姿がけなげでした。今となっては、そんな情報量と解像度で満足できるのか不思議です。『愛していると言ってくれ』は1995年の作品ですが、ポケベルは頻繁に出てきません。晃次は耳が聞こえないので、紘子と一緒にいる時は手話でやりとりしていて、ときどき目で思いを伝える姿にドキッとさせられます。 2人の通信手段といえば、ファックスや手紙、筆談、そして紘子からかける電話です。1990年代の音楽業界を描いた2020年のドラマ『M 愛すべき人がいて』のマサとアユもファックスで思いを送り合っていました。解像度が低くてギザギザになった文字が懐かしいです。今は人の直筆を見ることなどめったになくなってしまいました。直筆からはその人の性格や思念が伝わってくるという利点が。LINEのやりとりより情報量が多いかもしれません。 『愛していると言ってくれ』には、アナログかもしれませんがピュアで濃密なコミュニケーション法がいくつも出てきます。たとえば……

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