Yahoo!ニュース

IDでもっと便利に新規取得

ログイン

持続化給付金問題「幽霊法人」疑惑の噴飯実態

配信

  • この記事についてツイート
  • この記事についてシェア
FRIDAY

事務所のあるビルの2階は薄暗く、人の気配がない。入り口に設置してあるインターホンは応答せず、扉をノックしても無反応。壁には「現在リモートワーク中です」と書かれた紙が貼られ、連絡先としてメールアドレスが記されているだけ。ガラス窓もなく、外から中の様子はまったくうかがえない状態だ。 【画像】総理専用超高級車、昭恵夫人の大分旅行…「アベノトラブル」全写真 「ペーパーカンパニーの典型のようだ……」 国民民主党の渡辺周議員はインターホンの受話器を降ろすと、こうつぶやいた。 6月1日、渡辺氏ら5人の野党議員が向かったのは、東京・築地にある9階建てのビルだ。その2階にあるのが「一般社団法人サービスデザイン推進協議会(以下、サービス協議会)」。新型コロナウイルスの影響で売り上げが減少した中小企業に支給する政府の「持続化給付金事業」を、769億円で受託した団体だ。 「この『サービス協議会』が、国会で問題視されています。769億円のうち749億円が、電通に再委託されていたんです。野党は差額の20億円が、国の事業を請け負うために『中抜き』されたのではと追及。安倍晋三首相は『15億円以上は銀行に(給付金の振り込み)手数料として払っている』とし、カネの流れは適正という認識を示しています。 問題はそれだけではありません。それまで『サービス協議会』には公式ホームページがなかったのに、非難の声が高まると『リニューアル』として急きょ公開。書かれているのは事業と法人概要だけで、電話番号もわかりません。実態が把握できない団体に、なぜ国の大事な事業を任せたのかと野党は批判を強めています」(全国紙政治部記者) 実際に野党議員が「サービス協議会」に足を運ぶと、冒頭のようにもぬけの殻。活動している様子は、うかがえなかった。前出の渡辺議員は訪問後、報道陣にこう語っている。 「(管轄する)中小企業庁には、先週の金曜日(5月30日)に行くと伝えておりました。その後、連絡があり『職員はリモートで仕事をしているので誰もおりません』と、釈明めいたものはございましたけど。 外からは(事務所の)中も見えませんし、呼び鈴は外されている。この団体を間に噛ませずに直接電通に委託をしていれば、20億円のコストの節約できたんです。どうして再委託という面倒な手続きをしてまで、この団体に発注しないといけなかったのか。国民の血税をムダにしたのではないか。そもそも、なんでこんな幽霊法人が必要なのか。厳しく追求していきたい」 ◆経産省がよくやる手法 コロナ不況への経済対策を取り仕切るのは、経済産業省だ。裏にどんなカラクリがあるのだろうか。経産省のOBを取材した、政治ジャーナリストの鈴木哲夫氏が解説する。 「OBによると、経産省は一般的な公共事業などと違って経済活動分野で無から有を作り出す役所だと。法律を作り、許認可の仕組みを作り、それを仕切る法人なども作る。そして時には法人が天下り先にもなるというわけです。そこには利権が生まれることも当然あります。 今回の社団法人も、一旦受注し人件費や手数料を抜き、電通やその関連会社に仕事を割り振っていた。『サービス協議会』は過去4年間で、経産省から14件の事業1600億円を受託していたと言われています。しかも、『サービス協議会』は国から受けた事業に義務付けられている内容の公告をなんと4年間一度もやっていない。職員も事務所にいるかいないか、電話番号すらハッキリしない。おカネを回して、これは何かあるなと思われても当然です。 今回は、コロナ禍で苦しんでいる人たちを助けるための事業です。仮に100歩譲って20億円が正当な事務経費だとしても、それをできる限り絞ってその分を明日の支払いに困る自営業者や零細企業のオーナーに支給すべきでしょう。『サービス協議会』を迂回させる必要がどこにあるのか。政府はいろいろと理由を述べているけど、国民を納得させるような説明はできていません。 持続化給付金に限らず、コロナに関する給付金にはスピードと透明性が求められます。経産省では『緊急時だから直接発注しよう、20億円について迂回して中抜き批判も出るから今回は例外的にやろう』となぜ誰も言わなかったのか。疑問が残ります」 コロナの影響で疲弊した中小企業で働く人々の生活を、安倍首相はどう認識しているのだろう。

FRIDAYデジタル

【関連記事】

最終更新:
FRIDAY