計測機器中堅のHIOKI、業績急拡大の背景に脱炭素化
左から順に、電子部品などの品質検査に使う抵抗計、インバーターやモーターの電力変換効率を評価するパワーアナライザ、電流センサー。いずれも主力製品だ(画像はHIOKI提供)
HIOKI(6866)こと日置電機は年商300億円ほどの電気測定器の中堅メーカーで、電子機器の電圧・電流測定、電子部品・材料の性能評価を行う計測機器が主力製品だ。 当社は4月の今2022年12月期第1四半期決算発表を前に通期見通しを大幅上方修正した。売上高315億円を340億円(前年比16%増)、営業利益61億8000万円を70億1000万円(同21.9%増)にそれぞれ引き上げた。わずか3カ月でどういう変化があったのか。 それを端的に表しているのが第1四半期(2022年1~3月)の受注額である。前年同期は80億円弱だったのが、一気に100億円(前年同期比32%増)に拡大したのだ。 岡澤尊宏社長はその理由をこう語る。「バッテリー企業の設備投資計画は年間通してバランスよく行われるのが通常だが、それが我々の予想を上回り、一気に第1四半期から前倒しで発注してきている。このため3カ月で予想が大幅に変わった。それが起きている背景はEVシフトが加速しているということである。どのくらい量産するかは昨年から各社が今年度の計画を立てていたが、作っても作っても間に合わないという状況にあるようだ」と語っている。
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中川 茂雄