大阪の駄菓子&カレーメーカーが「パロディチョコカレー」開発
はたしてカレーとチョコは合うのか?
レトルトカレーを温めて、粒状のチョコをトッピングして食べる。カレーとチョコ、しかも子ども向けの駄菓子チョコは、はたして合うのだろうか。少なからず疑問がわかないでもない。「そこが狙い目なんです」と、高岡さんが続ける。 「『これ、どないして食べるんや』と、あれこれ言い合って盛り上がってもらえればいい。粒々のチョコがカレーの熱で温まり、ちょうどいい具合に溶け出してなかなかいけます。チョコだけ残しておいて、酒の席でポケットから取り出し、『これ知ってるか』と、もう1回ウケを狙う手もある。自由にお楽しみください」 筆者も試食してみた。「コーヒーチョコ付きコーヒーカレー」は、深みがあり、チョコが溶け出すと、コクが増す。「ミルクチョコ付きミルクカレー」は、驚きの白さ。カレーに見えないが、口に含むと確かにカレーだ。まろやかな味わいにミルクチョコの甘みが加わると、心身ともにリラックス。女性が好む味かもしれない。
大阪人の対話力をパロディカレーで磨いて
パロディカレーらしい仕掛けも、さりげなく織り込んだ。パッケージで大きな口を開けている牛のゆるキャラは「もうタン」。オリオン社内でしばらく眠っていたが、カレー発売を聞きつけて復活。「もうタンのカレーを作ってもうタン」というダジャレになっている。 14日から関西のスーパーやお土産店を中心に販売開始。「大阪名物に育て上げ、大阪の元気を内外へ発信したい」と春日さん。ベル食品工業の安藤利彦課長は「当社にとって、カレーとチョコのコラボは初挑戦。成功させてカレーの可能性を広げたい」と意気込む。 高岡さんはこう言う。「大阪人が2人集まれば漫才が始まると言われて久しいが、近年はひとりでスマホやパソコンに向き合う時間が増え、大阪人も話し合う機会が減りつつあるのはさびしいですね。新しいパロディカレーを囲んで、ぼけたりつっこんだりしながら、大阪人らしい対話力やパロディ精神を磨いてほしい」 ささやかな駄菓子に宿るパロディ文化が、感性や創造力を育ててくれるのかもしれない。 (文責・岡村雅之/関西ライター名鑑)