4月から排水ポンプ車運用 浸水被害軽減に向け田辺市
大雨などによる浸水被害を軽減するため、和歌山県田辺市は4月から移動式排水ポンプ車の運用を始める。運用は業者に委託し、浸水が起きそうな場所に駆け付けて排水する。 市管理課によると、排水ポンプ車の全長は約8メートル、幅は約2メートル。トラックの荷台に小型のポンプ6台や制御盤、発電機、排水ホースなどを搭載している。ポンプ1台で1分間に最大5トンの水を吸い上げる能力がある。車両は2月末に納入された。 普段は同市新屋敷町の田辺消防署扇ケ浜分署に置き、委託業者が運用や点検などを担う。過去に浸水被害が起きている上屋敷地区を中心に、台風や大雨などで浸水が予想される際に使用する。ただ、川の水位や雨の降り方に応じて別の場所にも対応するという。 運用開始を前に市はこのほど、同市秋津町、秋津橋付近の河原で、排水ポンプ車が正常に動作するかを確認した。メーカー担当者から操作方法などの説明を受けて、委託業者がポンプを川に設置して水を吸い上げた。 市管理課の前溝浩志課長(54)は「もうすぐ梅雨や台風の時期を迎える。いざという時に備えて十分訓練をし、住民の皆さんの安心と安全を守るため、ポンプ車を活用して浸水被害の軽減に努めたい」と話した。
紀伊民報