パレスチナの現状を伝えるため…4名の監督による記録映画「ノー・アザー・ランド」新写真
パレスチナ人とイスラエル人の若手監督が作り上げたドキュメンタリー映画「ノー・アザー・ランド 故郷は他にない」の新場面写真12枚が、パレスチナ人民連帯国際デーである本日11月29日に解禁された。 【画像】「ノー・アザー・ランド 故郷は他にない」監督が兵士に襲われる場面を捉えた場面写真 イスラエル軍による破壊行為と占領が進行している、ヨルダン川西岸のパレスチナ人居住地区マサーフェル・ヤッタを舞台とする本作。現状をカメラに収め世界に発信することで、占領を停止させ故郷の村を守ろうとするパレスチナ人青年バゼル・エイドラと、彼に協力しようとするイスラエル人青年ユーバール・アブラハムの活動と友情が、2023年10月までの4年間に渡り記録された。監督はエイドラとアブラハム、そしてハムダーン・バラール、ラケル・ゾールの4人が共同で務めている。 場面写真にはエイドラが兵士に襲われる場面や、村人たちとデモを行う様子、アブラハムと車で笑顔を向け合う姿などが収められた。監督4名は本作を制作した理由として「マサーフェル・ヤッタで今まさに進行しているパレスチナ人の強制追放を阻止し、現代にもはびこるアパルトヘイトの現実に、壁の両方から、不平等を映し出すことによって抵抗したいからです」と声明を発表している。 本作は第74回ベルリン国際映画祭で最優秀ドキュメンタリー賞とパノラマ部門の観客賞に輝いた。同映画祭には4人そろって参加しており、エイドラは受賞時のスピーチで「ガザで何万人もの人々がイスラエル軍により虐殺されているこの状況で、この受賞を喜ぶことはできません。私の故郷マサーフェル・ヤッタもブルドーザーで破壊され続けています。ドイツの皆さん、ここベルリンにいる皆さんにお願いです。イスラエルへの武器提供を止めてください」と訴えた。 さらにバゼルと同じ年齢だというアブラハムは「2日後に国に帰ったら、そこでの私たちの権利は平等ではなくなります。私は民法の下で、バセルは軍法の下で暮らしています。私たちの家は30分しか離れていません。私には投票権がありますが、バゼルにはありません。私にはどこへでも行ける自由がありますが、バセルは他の何百万ものパレスチナ人と同様、占領地に閉じ込められています。私たちの間にあるこのアパルトヘイトの状況、この不平等は終わらせなければなりません。私たちが今問うているのは、占領を終わらせ、政治的解決を達成するためには、どう変わっていくべきかということです」と伝えている。 「ノー・アザー・ランド 故郷は他にない」は、2025年2月21日より東京・TOHOシネマズ シャンテ、シネ・リーブル池袋ほか全国で公開される。 (c)2024 ANTIPODE FILMS. YABAYAY MEDIA