<日中関係>東シナ海ガス田、何が問題になっているの?
東シナ海のガス田開発をめぐる日本と中国の対立が再燃しています。2013年7月、中国が新たなガス田開発の施設をつくり始めたことが明らかになったため、日本が反発しているのです。何が問題になっているのでしょうか。 背景には、東シナ海で日本と中国が主張する排他的経済水域が重なり、線引きが決着していないことがあります。排他的経済水域とは、沿岸国が海洋資源など経済的なことについて主権的な権利をもつ水域のこと。その水域内の資源は自分の国のものとして利用できるわけです。 なぜ排他的経済水域が重なるかというと、日本は両国の海岸から等距離にある中間線を主張するのに対し、中国はそれより東側の大陸棚沿いで沖縄本島のすぐ西のあたりまでを主張しているからです。 先にガス田開発に乗り出したのは中国です。2004年、日本が主張する中間線から4キロ中国側で、中国がガス田「白樺」(中国名・春暁)でパイプラインの建設を始めたことが発覚。05年にはガス田「樫」(中国名・天外天)の掘削も始めるなど、日中対立の種になりました。
共同開発で合意したが
08年、日中両政府は「白樺」を共同開発するほか、その他のガス田も共同開発の早期実現をめざして継続協議することなどで合意しました。その際、排他的経済水域の境界線問題を棚上げにしたのです。 その後、共同開発の条約を結ぶ交渉を進めるはずでしたが、10年に尖閣諸島近くで中国漁船が日本の巡視船にぶつかる事件が起きたため、交渉がストップしています。 そして今回、中国の新たなガス田開発の動きがわかったため、対立が再燃しているのです。中国が開発しているガス田はいずれも中間線よりも中国寄りの場所にあり、中国政府は正当性を主張しています。一方で日本政府は、境界線が決まっていない海域での一方的な開発は認められないと反発しています。