昭和電線ケーブルシステム、東京女子医大と医療用「非接触給電技術」開発推進
昭和電線ケーブルシステムは東京女子医科大学と共同で医療用非接触給電システムの開発に取り組んでいる。手術室などの電気配線を削減して安全などに貢献する技術。同社はシステムの製作などを、同大は検証場所の提供や医療分野への適合性などのアドバイスなどをそれぞれ担当している。現在は試作・実証の段階。薄型化などの改良を進めながら、数年後の市場投入を目指す。 非接触給電は送電・受電用の二つのコイルを用いて無線方式で給電する技術で、共同開発中のシステムは手術台などを囲む医療機器に給電するもの。手術室では床面の電源ケーブルが多く、つまづきや動線の妨げになるケースがあるほか、医療機器転倒の原因になるリスクもある。同社では新システムで床面のケーブルを減らすことで課題解決に貢献する。また床面にコンセントを設置する方式と比較して、段差が少ないことや、床が濡れている状況でも給電できることなどが利点となっている。 受電ユニット・給電ユニットには極細銅線を撚り合わせたリッツ線で製作したコイルを内蔵。受電ユニットとつながる受電システムにはリチウムイオン電池を搭載しており、ユニットの位置が受電範囲を外れるなどしても、1500ワットで1分間以上の電力供給ができる。今後は施工を効率化するための薄型化などを進める方針。自社の巻線やコイルなどの材料技術も生かしながら実用化を目指していく。同社では手術室のほかに集中治療室や救急救命室での機器給電用途に期待している。