【サッカー日本代表 板倉 滉の「やるよ、俺は!」】第25回 W杯最終予選、好スタートの裏側。間近に控える難関に向けて
先月から始まった2026年北中米W杯アジア最終予選にて、日本は2戦合計12得点、失点は0と好スタートを切った。その圧倒的な強さの秘密とは何か。間近に控える難関のサウジ、豪州戦への意気込みも含め、板倉が独白! ■準備どおりの理想的なセットプレー 北中米W杯最終予選が始まった。応援してくださる皆さんのおかげで9月はホームの中国戦が7-0、アウェーのバーレーン戦は5-0と好スタートを切れた。 前回、前々回とW杯最終予選の初戦はいずれも黒星発進。さらに敵地でのバーレーン戦を苦手としてきた日本代表が、なぜ今回は2戦とも大勝できたのか。 まずは中国戦。試合には全員が緊張感を持ってしっかりと入れたのが大きかった。前のW杯最終予選で続いた苦戦、今年1月のアジア杯での敗北を教訓に、決してアジアを舐めてかかってはいけない、その一心だった。 対戦相手の中国がどうこうではなく、僕らがどうやって初戦に臨むのか。そのほうが重要で、守備陣としては、始めから反撃の隙などまったく与えずに圧倒してやろうと意気込んでいた。 いざフタを開けてみれば、中国は引いてきた。真ん中に選手たちが固まっていたし、守備に徹する形だった。僕らは両サイドから攻撃陣の個の力を生かし、攻め続けた。 僕はあまり経験がない3バックの右を任されたが、特に違和感もなく、右サイドでボールを欲しがっている前線のMF(堂安)律やタケ(久保建英)にできるだけいい状況でパスを供給することを考えた。 右が微妙ならば、いったん戻して左サイドへ。そこには(三笘)薫がいて、彼もまた積極的にドリブルを仕掛ける。さらに、両翼からは精度の高いクロスが次々と上がってくる。中国はかなり苦しんだはずだ。 前半12分には、セットプレーから先制点を決めることができた。得点者はMF(遠藤)航君。セットプレーの種類はいくつか用意していて、その中のひとつがバッチリ決まった。 僕の役割はファウルをもらわないよう、絶妙な位置で相手の進行方向をふさぐブロック。相手の動きを遅らせれば十分だというポジションを意識。結果として、航君はどフリーに。あまりにもうまくいきすぎて、自分でも驚いてしまったぐらいだ。 前半の終盤には相手FWジャン・ユイニンから思いっきりヒジ打ちを食らうアクシデントもあったけど、それ以外は理想的な展開。中国がもっと激しくくることも予想していたけど、結果はワンサイドゲームになった。