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中東大油田地帯、機能不全の危機  新型コロナ感染拡大で原油再び高騰か

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 米WTI原油価格は1バレル=20ドル台半ばという18年振りの安値水準で推移している。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な流行)で世界の原油需要が2割(日量約2000万バレル)以上減少すると見込まれているからだ。  ▽三大産油国、協調難しく  このような状態に慌てふためいているのは、世界の三大産油国である米国、ロシア、サウジアラビアである。トランプ米大統領の呼び掛けで、サウジアラビアは4月2日「OPECプラス(OPEC加盟国とロシアなどの産油国)の緊急のテレビ会議を6日に開催する」と発表。新型コロナウイルス危機前の世界の原油需要の1割に当たる日量1000万バレル以上を減産する取り組みが始まった。  だがロシアのプーチン大統領が3日、原油価格の急落について「サウジアラビアが増産や値引きを発表したことが原因だ」と批判した。これに対し、サウジアラビアのファイサル外相が4日、「まったく真実と異なる」と反論するなど両国の対立は早くも表面化している。

 加えて世界最大の原油生産国である米国がこの協調減産に参加することが不可欠だが、米国内では「協力する用意がある」との声が出始めている一方で、「法律上の制約から実現は困難である」との見方が一般的である。  史上最大規模の協調減産の枠組みが成立しなければ、原油価格は1バレル=20ドル割れとなる可能性が高い。このような低油価は今後も続くのだろうか。  ▽イラクの動向に注目  WHOは2日、「中東地域で新型コロナウイルスの感染者が急増しており、封じ込めの機会が失われつつある」と警告を発したのが気になるところである。  中東地域で最も新型コロナウイルスが蔓延(まんえん)しているのはイランだが、米国の制裁により原油の輸出量は日量約30万バレル(輸出先はシリアと中国)に激減しており、世界の原油市場に与える影響は少ない。  筆者が注目するのは、OPEC第2位の原油生産国であり、日量約380万バレルの輸出量を誇るイラクである。4月2日付ロイターは「イラクの新型コロナウイルス感染者は公式発表をはるかに上回る規模で急拡大している」と報じた。これはイランとのつながりの深さが災いしている。イラクの医療システムは、数十年にわたる制裁や戦争などにより限界状態にある。

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