最後の最後まで目が離せない出場権争い「オリンピック予選シリーズ ブダペスト大会」スケートボード・ストリート種目の見どころ
一方で男子カテゴリーは上海大会にて優勝候補とされる選手たちが望まぬ結果に終わったことから順位が大きくシャッフルされた中、依然世界ランキングトップ20にはアメリカから4名と日本から6名の2カ国が半分を占めている状況は変わらない。しかし一方で国内での代表枠争いは熾烈を極めることとなった。 今大会で壮絶な代表枠争いとなることが不可避なのは日本だ。東京五輪金メダリストの堀米雄斗が上海大会で予選敗退し世界ランキングを11位まで落としたことを皮切りに、現世界チャンピオンの白井空良も準決勝敗退で1位から6位までランクを落とす。彼らとは裏腹に同大会で2位となった弱冠14歳の小野寺吟雲が世界ランキング1位に、同じく4位となった佐々木音憧が7位まで浮上した。一方で決勝8位といまいち結果に繋げることができなかった根附海龍が5位に停滞。全体14位で準決勝敗退となった青木勇貴斗が15位という順だ。 今大会でパリオリンピック代表選手が決まることから、順調に結果を残している小野寺はこのまま勢いのまま好成績を残す必要がある中、それ以外の選手に関しては、本調子でまとめきれていない堀米と青木の4名がここでしっかり好成績でまとめて世界ランキング上位に返り咲き代表枠を獲得することが必須となる中、現在暫定的に代表枠を保持している白井と根附も佐々木に追随され油断を許さない状態。最後にしっかり最高のパフォーマンスを残して代表枠を獲得する3名は誰だ。 その一方で、上海大会を経て代表枠争いが大きく動き出したのはアメリカ。絶対王者のナイジャ・ヒューストンが決勝5位で世界ランキング3位に落とした中、彼を上回って2位までジャンプアップしたのはジャガー・イートン。同大会では多くの選手が独特なプレッシャーから大苦戦を強いられた中、見事なパフォーマンスを見せて優勝。世界ランキングにて10人抜きを果たして2位に躍り出た。その2人を追うのが同大会で見事なベストトリックをメイクして3位入賞を果たしたクリス・ジョスリン。彼もランキングで10人抜きを果たして8位まで順位を上げた。そこに続くのが13位のブライデン・ホーバン、21位のアレックス・ミドラーとなっている。 上海大会の結果の良し悪しで極端に世界ランキングへ影響があった中、イートンとヒューストンが30万ポイント超えとオリンピック出場権に大手をかけている状況で残りの1枠を懸けてジョスリン、ホーバン、ミドラーの3名がどんな争いを繰り広げていくのかが注目だ。もちろんノリに乗っているジョスリンが最有力ではあるが、ホーバンとミドラーもひっくり返す実力は十分にある。一発逆転なるか。 また当落線上にいるため出場枠争いで厳しい戦いを強いられているのはカナダとブラジル。カナダは現在ライアン・ディセンゾ、コルダノ・ラッセル、マット・バージャーが17位から19位に固まっており、予断を許さない状況。一方でストリート最強国の一角であるブラジルもジオバンニ・ヴィアンナが上海大会で7位に入ったことで世界ランキング10位までジャンプアップしたが、ケルビン・ホフラーが16位、フェリペ・グスタボが22位と実力者が出場枠を他国選手と争う形だ。彼らの今大会のパフォーマンスにも目が離せない。 そして今回も注目したいのがフランスのオーレリアン・ジロー。現在フランスは開催国枠として既に1枠を獲得していることから、現ランキング上では彼が該当している。それもあってかまだOQSでは姿を見せていないが、自国開催で一番メダルを期待されている彼がパリオリンピック前の最終戦でどんなパフォーマンスを見せるのかに期待したい。