個人情報を自分で販売 データ資本主義社会の新ビジネス「情報銀行」
「データは21世紀の石油」という言葉がある。これは、データが企業に利益をもたらす資源であることを表現したもので、実際に消費者のデータを商品開発に生かしたり、マーケティング戦略に活用したりして成功を収めている例も多い。経済活動において、データの重要性はますます高まり、現代はまさに「データ資本主義社会」と言えるだろう。 【動画】個人情報を自分で販売 データ資本主義社会の新ビジネス「情報銀行」 こうしたなか、消費者自らが個人データを販売して現金などの対価を受け取る「情報銀行」というサービスが来年度本格スタートする。新たな収益源になるとして、各事業者は情報銀行に期待を寄せており、参入に向けた動きは活発になっている。情報銀行とはどのようなビジネスモデルなのか。そして、現代社会で普及していくのだろうか。その可能性を探った。
利用データの活用視野に モバイルバッテリーのシェアリングサービス
DVDレンタル大手・TSUTAYAに設置された、「バッテリースタンド」という縦型の機械。単なる液晶ディスプレイ(電子看板)のようにも見えるが、モバイルバッテリーのシェアリングサービス「ChargeSPOT」を提供しているのだ。 利用するには専用アプリをダウンロードし、スマホからディスプレイ上のQRコードを読み取ると、機械の側面からモバイルバッテリーが出てくる。本体のケーブルを端末に差し込めば、持ち歩きながら約2回分充電ができるという。バッテリースタンドはTSUTAYA以外にも、首都圏のコンビニや百貨店などに約200台設置され、借りた場所に限らず、どこにでも返却できるのが特徴だ。 (1時間以内:108円 48時間以内:追加108円 別途端末保証代金2139円が必要) 開発した都内のベンチャー企業「INFORICH」は、今年中に約5000台、来年には2万台まで機械を増やす計画だが、バッテリーをレンタルするだけでなく、利用データの活用も検討している。料金はクレジットカードで決済されるため、サービスを利用するには名前や連絡先、カード番号などの登録が必要となる。こうした利用者の情報のほか、貸し借りを行なった場所などの履歴を収集し、データを求める企業に販売するビジネスも視野に入れている。