わが家は「年収800万円」で、妻は専業主婦です。「老後の年金」のために妻が働くと、将来の受給額はどれだけ増えますか?
日本の世帯数は2024年1月1日時点で約6078万世帯です。世帯には共働き世帯や高齢者世帯など、さまざまな形態があります。現在は少なくなっていますが、夫婦の一方が専業主婦(主夫)の片働き世帯も、そのあり方の一つです。 片働き世帯は、専業主婦(主夫)の受け取れる年金は老齢基礎年金のみであることから、パートナーの退職後の収入に不安を感じることも多いでしょう。この記事では、年収800万円の夫と専業主婦(主夫)の世帯の年金額や、共働きになることのメリット・デメリットを解説します。 ▼扶養内で働いてるけど、労働時間が「週20時間」を越えてしまった!「社会保険」に加入する必要はある?
年収800万円の夫・専業主婦の世帯で受け取れる年金額は?
年収800万円の夫と専業主婦の妻の世帯で受け取れる年金額を試算してみましょう。具体的な条件を以下のようにして、試算をします。 ●夫:45歳・年収800万円、60歳で定年予定 ●妻:40歳・年収なし、厚生年金への加入歴なし 基礎年金は毎年改定されているため、令和6年度の金額で試算します。令和6年度の基礎年金受給額は、以下のとおりです。 ・基礎年金受給額:81万6000円 2人とも20歳から60歳まで保険料を納め続けていれば、満額での受給が可能です(厚生年金加入者に扶養される第3号被保険者の期間も含む)。 厚生年金は、給与や厚生年金保険への加入期間によって、金額が変わります。年収800万円で20歳から60歳まで加入したと想定して、厚生労働省の「公的年金シミュレーター」をもとに簡易的に試算してみましょう。 ・受給額:249万円 よって、世帯での年金収入は以下のようになります。 ●夫の年金(厚生年金+基礎年金):249万円 ●妻の年金(基礎年金):81万6000円 ●合計:330万6000円 年間330万円、月あたり27万5500円の年金を世帯で得られます。
もし妻が社会保険に加入したら年金額はいくら増える?
もし妻が社会保険に加入した場合、妻も厚生年金を受け取れるようになります。妻がこれから20年間、年収130万円で働くことにした場合を例にして、厚生年金額を試算してみましょう。 ・妻が20年間年収130万円で働いた場合の年金受給額(厚生年金・基礎年金):97万円 前述のとおり、40年間夫の扶養に入り続けた場合の妻の年金受給額は81万6000円でしたから、年間で約16万円、月あたり1万3000円ほどの年金を増やせます。 老後資産にあまり余裕がない世帯であれば、妻が働くことで更なる年金アップを見込むのもよいでしょう。反対に「資産が十分ある」「月あたり1万円増えてもあまり生活レベルは変わらない」という場合であれば、無理に働きに出る必要はなさそうです。