絶海の孤島・青ヶ島在住の40歳女性が語る、「日本一人口の少ない村」の“独特すぎる働き方”「週5で働きながら、天気の良い日は朝から漁に…」
週5日で働きながら、天気の良い日には朝早くから漁に…
青ヶ島の人たちは、「兼業」をしている人が多いです。例えば私の弟は、建設会社の正社員をしながら、個人事業主として漁業をし、さらに村議会議員もしています。週5日建設業をしながら、天気の良い日には朝早くから漁に出て、議会があるときは議員の仕事もして……。それで夜は毎晩のように、友人の家をはしごして飲み歩いているんだから、本当にエネルギッシュですよね(笑)。 私自身も、YouTuberとして活動する傍ら、配達業、観光ガイド、デザイナー、実家が運営する民宿「かいゆう丸」の手伝い、島唯一のコワーキングスペース「NYAYA」の運営など、様々な仕事を兼業しています。 私や弟に限らず、青ヶ島では「兼業」が当たり前。建設会社に勤めながら「あおちゅう」を作ったり、民宿で働きながら農業や漁業をしたり。人口の少ない島なので、「1つの仕事だけでは生計を立てられない」という理由で兼業している人も少なくありません。 一方で、趣味や生きがいとして複数の仕事を楽しんでいる人も多いです。特に農業や漁業は、レジャー感覚というか、癒やし目的で取り組んでいる人が多い気がします。もともと自然豊かな島で生まれ育った島民はもちろん、島に移住してくる方も、自然と触れ合うのが好きで来てくれた方が多いですから。
小さい島ならではの課題
兼業の人が多い以外にも、青ヶ島の働き方には特徴があります。例えば、建設業に就いている人は、現状男性しかいません。また、配達業に就いているのはほぼ女性です。 性別以外にも、島内の就業状況には“偏り”があります。島内でも就業人口の多い建設業ですが、それを支えているのは60歳以上の高齢者が中心です。公共事業で成り立っている島のインフラを考えると、若い世代の育成は必須。 とはいえ、建設業界の高齢化は全国的な問題だと思うので、課題解決のハードルはものすごく高い……と頭を悩ませているところです。 他にも、小さい島ならではの課題もあります。島外の方が青ヶ島に興味を持って「移住したい」と思っても、求人が多くないから、仕事が見つからず諦めてしまう人も。気軽に移住を検討できるのは、勤務地に青ヶ島が含まれる都採用の公務員や、フリーランス、リモートワーカーなど限られた人たちとなっています。