首相も前向き発言を続けるが余力はあるのか 憲法改正への着手がほぼ不可能といえる理由
改憲派が5月3日に開いた集会で、「(改憲に)挑戦し続けなければならない」とビデオで述べた岸田首相(写真:毎日新聞社/アフロ)
参議院選挙に向けて、岸田文雄首相が憲法改正について前向きな発言を続けている。本来ハト派とみられた岸田首相としては異例の姿勢にも見えるし、右派票を逃さないためのポーズと見えなくもない。 だが、今回の参院選の後、2025年の参院選までスケジュールのうえでは国政選挙がない。また日本維新の会に加えて、国民民主党も憲法改正に踏み込み始めている。憲法記念日に向けた各紙の世論調査では、ウクライナ危機を背景として、9条改正を念頭に置いた憲法改正を支持する意見が増えている。これまでになく憲法改正の条件が整いつつあるようでもある。
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牧原 出 :東京大学教授