被爆80年こそ静かな環境を…平和記念式典での大音量集会・デモ、広島市民らが対応要望
8月6日の広島平和記念式典会場周辺で反戦・反核団体が行う大音量の集会やデモ行進を巡り、市民団体「静かな8月6日を願う広島市民の会」(市民の会)など3団体は19日、静謐(せいひつ)な環境下での式典挙行へ実効性の伴う対応を、広島市の松井一実市長に求める文書を提出した。被爆地・広島は来年、原爆投下から80年を迎える。 【写真】広島市の松井一実市長に要望書を手渡す静かな8月6日を願う広島市民の会の石川勝也代表 反戦・反核団体は「8・6ヒロシマ大行動実行委員会」(大行動)。過激派として知られる中核派のメンバーらも含まれている。拡声器を使ったシュプレヒコールなどが大音量になるため「厳粛な式典にふさわしくない」として、市民らから批判の声が上がっている。 平和記念公園を管理する市としても、6年から入場規制エリアを公園全域に拡大するなどしたが、静かな祈りとかけ離れた行動の抑止にはつながらなかった。 書面で3団体は市の対応を評価しつつ、被爆80年で世界の視線が広島に集まる来年こそ、静かな環境が求められると指摘。「世界平和を祈る広島の人々の心を踏みにじる非常識な行為を解決してほしい」とした。 松井氏に文書を手渡した市民の会の石川勝也代表(68)は産経新聞などの取材に「平和を願う場で乱暴なふるまいは勝手な自由であり、許されるわけではない」と話し、毅然(きぜん)とした市の対応に期待を寄せた。 大行動を巡っては、中核派活動家の5人が昨年8月6日、式典で対応していた市職員に、腕を組んで体当たりするなどの暴行を加えたとする暴力行為等処罰法違反(集団的暴行)容疑で今年3月までに逮捕、起訴された。