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“ラッキーゾーン”設置で外野手の守備に影響は?/元ソフトバンク・柴原洋に聞く

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週刊ベースボールONLINE

読者からの質問にプロフェッショナルが答える「ベースボールゼミナール」。今回は外野守備編。回答者は現役時代にゴールデン・グラブ賞を3回獲得した、元ソフトバンクの柴原洋氏だ。

Q.近年、PayPayドームのホームランテラスを皮切りに、ZOZOマリンのホームランラグーンが設置され、そしてナゴヤドームでもいわゆる“ラッキーゾーン”の設置構想があるようです。これまでよりも球場が狭くなることにより(そもそも広い球場ですが)、外野手にはどのような影響がありますか。(東京都・35歳)

 中日は本拠地でのホームラン数が昨季12球団最少で、そのような構想が持ち上がったようですね。広い球場の特性を生かして、投手力を前面に押し出して2000年代に黄金期を築いた中日ですが、ただ、営業面を含めてさまざまな考えがあっていいと思います。PayPayドーム(※当時はヤフオクドーム)のホームランテラスも、設置する、しないの段階では賛成反対含めてさまざまな意見が出ていましたが、設置されればその環境の中で選手たちは全力でプレーするだけで、ファンの方もその環境を楽しんでいただけているのではないでしょうか。  バッターに関してはホームランが出やすいですし、ピッチャーからすれば一発を注意しなければいけませんが、外野手(この場合だと、レフト、ライト)の立場からすれば「楽(らく)」です。距離が狭くなる分、例えばいわゆる定位置(これは変わりません)で守ると、自分のいる位置からフェンスまでが近くなるわけですから。平均的な定位置から後ろで20メートル、右中間・左中間で30メートルくらいあったと思うのですが、それよりも圧倒的に短い距離しか追わなくて済むのは、これほど大きいことはありません。  私が現役時代、ホームの現PayPayドームで試合をしてから、遠征で東京ドームや広島市民球場に行くと、定位置の真後ろにフェンスがあるくらいのイメージ(つまり、2つの球場は“ラッキーゾーン”がなくても狭かった)で、前の打球と横の打球だけをケアしていればよく、非常に守りやすかったことを覚えています。広いと、後ろの打球もイメージしなければいけませんので、ベンチの指示で前を守らなければいけないとき、余計に後ろの打球のことが頭に残って、嫌でした。実際、越されたこともありますしね。  狭い球場ではそのリスクがなくなります。360度ケアしていたものが、200~240度でよくなり、より思い切って前の打球に対してプレーできますし、後ろの打球に自信があれば、ポジションを2歩、3歩と前に取ることもできます。そうすると、ピッチャーが打ち取ったのに、ポテンヒットになるようなものもアウトにできますね。“ラッキーゾーン”があると、失点が増えるかなと思いつつ、前の打球がアウトになるのですから、そんなに変わらない数でまとまるかもしれませんよ。 ●柴原洋(しばはら・ひろし) 1974年5月23日生まれ。福岡県出身。北九州高から九州共立大を経て97年ドラフト3位でダイエー(現ソフトバンク)入団。11年現役引退。現役生活15年の通算成績は1452試合出場、打率.282、54本塁打、463打点、85盗塁。 『週刊ベースボール』2020年8月31日号(8月19日発売)より 写真=BBM

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