『Back to Black』マリサ・アべラの役作りを監督絶賛「“エイミーがそこにいる”と思った」
グラミー賞5部門に輝きながら27歳で早逝した稀代の女性アーティスト、エイミー・ワインハウスの半生を描いた映画『Back to Black エイミーのすべて』。この度、エイミー・ワインハウスを演じたマリサ・アべラの役作り秘話がサム・テイラー=ジョンソン監督から語られた。 【画像】エイミー・ワインハウスの17歳から27歳までを演じた 世界的に称賛されたエイミー・ワインハウスの光と影を描く本作は、彼女の音楽的才能と波乱に満ちた人生を映し出し、その知られざる素顔に迫る。 「ビートルズ」結成前のジョン・レノンの若き日を描いた『ノーウェアボーイ ひとりぼっちのあいつ』も手掛けた監督のサム・テイラー=ジョンソンは、本作に取り組むにあたり、エイミーの視点から彼女の目を通して映画を作りたいと考えた。 エイミーの真実を描くために彼女が受けた数多くのインタビューや曲の歌詞を通して調査を行い、セリフの書き方の足がかりにした。エイミーにポジティブな生命を吹き込み、彼女の音楽に浸り、彼女の心を知ることのできる映画を目指したという。 それゆえに、エイミー役の俳優を見つけることは、最大の課題の1つとなったが、マリサ・アベラとの出会いによって瞬時に解決した。 オーディションで何百人もの応募者の中から8人の女性に絞り込んでいた監督は、「7人はエイミーの格好をして、マリサはマリサの格好をしてきたが、マリサだけがカメラを見つめたときにエイミーだった。マリサはエイミーという人物を真に反映する何かを、自分の中に見出していた。そこにいた皆が“エイミーがそこにいる”と思った」と回想する。 当初、監督はエイミーの特徴的で親しみやすく、真似することが難しい声の特性から、女優の声をそのまま使う予定ではなかったという。 しかし、マリサは自身の声で感情的に物語を語れるようになるまでトレーニングを積み、映画を通してすべての歌を歌い、その素晴らしい歌声によって物語に説得力を持たせた。監督は「マリサとエイミーの声の違いは明確だが、観客はマリサの魂のこもった歌声によってエイミー自身だと勘違いしてしまう」と評価している。 マリサ・アべラはエイミー・ワインハウスの17歳から27歳までを説得力を持って演じられる唯一の俳優だったようだ。 『Back to Black エイミーのすべて』はTOHOシネマズ シャンテ、渋谷シネクイントほか全国にて公開中。
シネマカフェ シネマカフェ編集部