ラストランからわずか1か月でこの世を去ったヴェルデグリーン 弱点克服でたどりついたオールカマーV
今週末、中山競馬場ではGⅡオールカマーが行われる。このレースを2013年に制したのがヴェルデグリーン(牡・相沢)だ。 同馬がデビューしたのは10年。2000メートルの新馬戦をいきなり快勝し、素質の片鱗を見せた。しかし、爪に弱点があり、その後はしばらく苦戦が続いた。その爪がしっかりしてきたのが13年に入ってから。1勝クラスから3勝クラスまで3連勝。「サマー2000シリーズを争えるくらい力をつけてきた」と感じた陣営はGⅢ新潟大賞典に出走させた。 「でも、初めての重賞でモマれて好結果を出せませんでした」 10着という結果にそう語ったのは手綱を取っていた田辺裕信騎手。続けて次のように語った。 「大敗したことでサマー2000シリーズはきっぱりと諦めることができました」 だから1度放牧に出して立て直した。その結果が続くオールカマーでの勝利だったのだ。 その後、翌14年のGⅡアメリカJCCも制したヴェルデグリーンだが、GⅠ宝塚記念では予想外のシンガリ負けに終わった。直後、放牧先で腹痛を発症。開腹手術をしたところ、がんにむしばまれていることが判明。ラストランからわずか1か月と少し後の8月3日には唐突に星になってしまった。オールカマーの時期になると、この馬が思い出されるのは私だけではないだろう。(平松さとし)
東スポ競馬編集部