いま見るとイケてる! でも名前を聞いても「姿が思い出せない」級のいぶし銀クーペ3選
忘れられがちのクーペボディを持つモデルを紹介
SUVやセダンで“クーペのような流麗なフォルム”と表現されることがある。今や輸入車メーカーの新型車の説明を聞いていても使われるほどのフレーズで、どうやら世界共通の認識のようだが、要するにカッコよく、ステキなクルマの象徴でもあるのがクーペというわけだ。 【画像】マニアでも忘れがちな「クーペモデル」を見る(全35枚) 思えば日本車でも、これまでにさまざまなクーペが存在した。トヨタ・ソアラ、ホンダ・プレリュード、日産シルビアなど、スペシャルティカーが全盛だったころの誰もが覚えている人気車は皆、2ドアクーペだった。 もっと遡れば、1960年代以降なら日野コンテッサ・クーペ(1964年)、いすゞ117クーペ(1968年)、日産ブルーバード・クーペ(1968年)をはじめ、大衆車のカローラとサニーも、じつは初代からクーペをラインアップに用意していた(日産サニー・クーペが1968年、トヨタカローラ・スプリンターが1969年)。 これらの時代の車種は機会があればまたあらためて取り上げたいが、ファミリーカーの黎明期の基本といえばやはりセダンで、そのちょっと上をいく優雅なスタイル、存在感のクルマとしてクーペがあったのだった。 クーペ好きの筆者のため、あれもこれも……と話がついあちこちの時代に飛ぶのはご容赦いただきたいが、とはいえクーペのなかでも雑誌などの記事で取り上げられる頻度の高いクルマとそうではないクルマとがある。 決して不人気車のレッテルを貼るつもりではなく、取り扱い上は、そういえばこういうクーペもあったよね、レアだよね……といったポジションのクルマというべきか。ちょっと古めの国産車のなかでもそういうクーペの心当たりは思い浮かぶ。
トヨタ・コロナ・クーペ
たとえばコロナ・クーペはその代表。1985年8月、兄弟車の初代FFの4代目セリカ(T160=流面形)と初代カリーナEDとともにデビューしたモデルだ(そのときの3車のカタログの表紙を並べた写真もご参考に)。北米など海外市場向けには、リトラクタブルライトのセリカ・クーペとして投入されていた。 日本市場へは7代目コロナ・ハードトップの後継車の位置付けで、コロナ名義ということでやや大人しい外観ということもあり、カリーナED、セリカの陰に隠れてしまった感があった。 だが、全幅1690mmの5ナンバーボディでこれだけ優雅なスタイルをモノにしていたのだから、今、見直すべきかも。 ちなみに1994年に登場した後継車のカレンは1750mmの3ナンバー車で、やはりセリカと顔違いのノッチバッククーペだった。