古河電工産業電線、建設用アルミ電線を一貫生産。本格普及へ納期対応強化
古河電工子会社の電線メーカーである古河電工産業電線(本社・東京都荒川区、社長・小塚崇光氏)は2023年度をめどに、建設用アルミ電線で一貫生産体制を敷く方針。平塚工場(神奈川県平塚市)でアルミ電線用に、上工程で用いる伸線設備・撚線設備を導入する準備を進めている。軽量で施工性が高い建設用アルミ電線の本格的な普及を見据えて、納期対応力の強化につなげる。 同社は電気導体に軽量なアルミを使った建設用電線「らくらくアルミケーブル」を製造。同社製品は同じ通電容量を確保しても一般的な銅導体品と比べ3割程度軽いほか、絶縁材料・導体設計の工夫により非常に柔軟で、電気工事での施工性が高い。また専用の接続端子・工具や工事講習で、接点の耐食性や接続の作業効率に優れることも特徴。 新規採用時にはユーザーである電気工事業者が施工前に講習を受けるなど前準備を要するが、適用物件拡大に伴い受講実績が増加しており、アルミ建設用電線を施工可能な作業者が順調に増えている状況。今後本格的な普及段階に入れば、一般的な銅製の建設用電線と同様の即納が求められる受注が見込まれるため、一貫生産体制を敷くことにより、リードタイムを短縮する。 一貫生産開始に向けアルミの線を細く加工するための伸線機や、伸ばしたアルミ線を撚り合わせる撚線機を導入する方針。設備増強によって、製品力だけでなく納期対応力でもユーザーに貢献できる体制を整える考えだ。