町田家の四姉妹は「“安心感を抱く関係”を築けている」森有紗Pが明かす、キャスト同士の絆と魅力<若草物語>
堀田真由が主演を務める「若草物語ー恋する姉妹と恋せぬ私ー」(毎週日曜夜10:30-11:25、日本テレビ※Hulu、TVerでも配信)が現在放送中。本作はアメリカの作家、ルイザ・メイ・オルコットが手がけた「若草物語」が原案。「もしあの四姉妹が令和ニッポンに生きていたら...」という着想から、舞台を大胆に現代に置き換えて描かれる、社会派シスターフッドコメディー。 【写真】第9話では、畑芽育“芽”と永瀬矢紘“真琴”が病院に運ばれる この度、WEBザテレビジョンでは、同作のプロデューサーを務める森有紗氏にインタビューを実施。制作秘話やキャスト陣の魅力、今後の見どころなどについて話を聞いた。 ■原案「若草物語」のキャラクターに魅力を感じた ――完成した映像を見た、率直な感想をお聞かせください 普段から仲の良い四姉妹の皆さんならではの和やかな空気感が、画面上にも漂っているなと感じました。姉妹たちが互いに“安心感を抱く関係”を築けているからこそ、それぞれの掛け合いのテンポも良く、お芝居の面でも良い作用をもたらしてくれているなと思います。 また姉妹たちはもちろん、一癖も二癖もある個性豊かな男性キャラクターたちにも注目していただけるとうれしいです。第9話はクライマックスに近づく回ということもあり、姉妹たちと彼女らを取り巻く男性陣(律、大河、沼田)との関係にも大きなターニングポイントが訪れます。これまで以上に見どころが盛り沢山になっているので、是非お楽しみに! ――「若草物語」を実写ドラマ化しようと思ったきっかけと、理由を教えてください 幼い頃に小説「若草物語」を読んだ時から、四姉妹の次女・ジョーというキャラクターに強い魅力を感じていました。弱さと強さが同居するジョーというキャラクターは人間味に溢れており、不器用ながらも一生懸命で、150年以上前に書かれた物語でありながらも、従来の“ヒロイン像”とは一線を画すがむしゃらな姿にずっと心惹かれていました。 その後大人になってから、「若草物語」という小説が、著者であるルイザ・メイ・オルコット氏の半自伝的な物語であり、なおかつ著者自身がジョーのモデルになっていることを知り、オルコット氏が生前に書いた日記にも目を通すようになりました。 彼女の人となりや生きざまを知れば知るほど身近に感じ、ますます親近感が高まって「ジョーが、あの四姉妹が、もしも現代の日本に生きていたら…?」という着想から、企画書を練り始めました。 ■人物像の描き方に「話し合いを重ねた」 ――名作「若草物語」の令和復刻版をつくる上で、監督とはどのような打ち合わせをされましたか? 「若草物語」は言わずもがな“四姉妹”が肝となる物語なので、姉妹四人のそれぞれの掛け合いや空気感を大切にしよう…ということは当初から念頭に置いていました。また、四姉妹の次女・ジョーをモデルにした主人公・町田涼のキャラクター造形、弱さと強さが同居した、未熟ながらもピュアな心を持った人物像をどう描いていくかについては、監督のみならず、脚本家の松島瑠璃子さん含め、何度も話し合いを重ねました。 ――原案がある中で、大変だったことや苦労したことはありますか? 「若草物語」は世界中で愛されている不朽の名作なので、令和版として映像化させていただくにあたり、もちろんプレッシャーは感じておりました。また四姉妹それぞれのキャラクターをどう現代日本に落とし込むかという点でも苦心はしましたが、元々「若草物語」という小説が好きだったので、むしろその「好き」という気持ちが、ドラマ作りを支える原動力になってくれていたようにも思います。 ■堀田真由は「パワフルさが垣間見える」 ――日テレ系ドラマ初主演を務める堀田真由さんの起用理由を教えてください 四姉妹の次女・涼を演じる堀田さんは、どんな時でもにこやかで穏やか。誰に対しても柔らかい雰囲気で接してくださる心優しい方です。一方、涼は感情表現が豊かで、良くも悪くも猪突猛進。毎日トライ&エラーを繰り返しながらも、人生をひたむきに一生懸命に生きている、がむしゃらなキャラクターです。 過去に他の作品で堀田さんのお芝居を拝見した際、芯の強さや、内から湧き上がってくるようなパワフルさが垣間見える瞬間がありました。堀田さんなら、弱さと強さを抱えた涼の、波のような感情の揺れ動きを、自然体かつ繊細に表現してくださるのではと思い、オファーさせていただいた次第です。 ――座長である堀田さんは撮影現場ではどういった印象でしょうか? 誰に対してもにこやかで穏やかで、どんな時も笑顔でいてくださるので、スタッフ一同も堀田さんの柔和な雰囲気と優しいお人柄に癒されながら、日々助けられています。また何よりもお芝居を楽しまれている印象が強いです。お芝居が大好きで、だからこそ昼夜問わずポジティブな姿勢で現場に臨んでくださっているんだろうなと感じています。 ――姉妹役の仁村紗和さん、畑芽育さん、長濱ねるさんの起用理由も教えてください 仁村さんは、お芝居に吸引力があり、以前からユニークな魅力をお持ちの方だと感じていました。ご本人は実際には末っ子とのことですが、どこかしっかりした雰囲気もお持ちなので、「こんなお姉ちゃんがいたら素敵だな」という思いからオファーさせていただきました。気さくなお人柄で現場を明るくしてくださるので、“町田家の太陽”のような存在です。 畑さんは、確固たるお芝居の実力はもちろん、“四姉妹の甘え上手な末っ子”という役どころにぴったりの愛らしい魅力に溢れている方だと思っていたので、今回お声がけさせていただきました。現場のムードメーカーでありつつ、繊細な心の機微も細やかに表現してくださるので、“頼もしい末っ子”としてスタッフ一同頼りにさせていただいています。まさしく“理想の妹”そのものです! 長濱さんは、おっとりとした優しいオーラをまといながら、どこか底知れなさのあるミステリアスな魅力をお持ちの方なので、物語上のキーパーソンでもある、謎を抱えた三女・衿を是非やっていただきたいと思いました。衿というキャラクターは演じるのが難しい側面もあるかとは思うのですが、いつも真摯にお芝居に向き合ってくださっています。 最終回に向けて、涼と衿の関係性の行方も大きな見どころになっているので、姉妹2人が迎える結末を最後まで見守っていただければ嬉しいです。 ■町田家の四姉妹は「姉妹愛に溢れている」 ――涼に思いを寄せる一ノ瀬さん演じる律、まさに令和を象徴する奥手男子かと思いますが、キャラクター設定はどのように行われましたか? 一ノ瀬さん演じる律は、小説「若草物語」にも登場するジョーの幼馴染・ローリーをモデルにしています。ローリーは小説の読者の中でもファンが多いキャラクターでもあり、私自身も幼い頃からジョーとローリーの関係性に憧憬の念を抱いていたので、ローリーの持つ飾らない魅力を律という人物像に落とし込んでいけるように、脚本家の松島さんと試行錯誤を重ねました。 ――取材現場では4人仲が良い印象を受けましたが、現場の雰囲気はいかがですか? 四姉妹のキャスト4人はとにかく仲が良く、常に和気あいあいとされており、撮影の合間はスタジオ中に笑い声が響き渡っています(笑)。4人とも違った個性をお持ちではあるのですが、それぞれに思いやりがあり、温かいお人柄であるところが共通している印象です。4人が4人とも、それぞれ“姉妹愛”に溢れており、互いを思い合っていらっしゃるので、傍から見ていても仲睦ましい姿が微笑ましいです。 ■仁村紗和のサプライズは「大盛り上がり」 ――撮影中の印象的なエピソードはありますか? 仁村さんの誕生日を撮影現場でお祝いしたのですが、堀田さんの発案で、キャストとスタッフ一同でバースデーサプライズを企画することになり、一同大盛り上がりでした。当日は堀田さん、畑さん、一ノ瀬さんのほか、この日に撮影のなかった長濱さんも現場に駆け付けるなど、思い出深い1日となりました。 ――森Pが特にお気に入りのシーンはありますか? お気に入りのシーンは枚挙にいとまがないですが、四姉妹それぞれの掛け合いは全編通して見どころ満載で、私自身も毎回楽しみにしています。 また個人的には、深田竜生さん演じる沼田の弟・真琴(永瀬矢紘)のお芝居に毎回キュンとしています。第6話で、真琴が眠っている沼田の上をゴロゴロと転がるシーンがあるのですが、何度見ても可愛さ満点です! 癒しを求めている方は、ぜひ真琴のシーンを見返していただければと思います(笑)。 ■最終回は「ハッピーエンドを見届けてほしい」 ――視聴者のSNSでの反響はどのようにとらえていますか? SNSでもさまざまな反響をいただいていますが、どのようなご意見であれ、ドラマを見て下さっていることに何より感謝しています。本当に有難い限りです。 ――最終回に向けての見どころと、視聴者の皆さんへメッセージをお願いします 2年間行方不明だった三女・衿と涼が再会を果たし、四姉妹それぞれに“人生の転機”が訪れ、物語はクライマックスに向けてますます加速していきます。個性も価値観も異なる四姉妹が辿り着く“四者四様のハッピーエンド”を、是非最後まで見守っていただけると幸いです。