厳冬期の今こそ、漢方で免疫力UP!自身の免疫力を知って感染症に負けない体へ!
変異種の発見、感染者数急増…新型コロナウイルスのニュースが続き、緊張が高まる。大事なことは、コロナウイルスをとにかく避けること。手洗い、消毒、うがいのほかにも、マスクやフェイスシールド、アクリル板はもう当たり前になってきた。そして、ソーシャルディスタンス。 「でも、物理的に避けて逃げ惑うだけでは、やはり限界があります。コロナウイルスが襲ってきても身体にいれない、かからないようにする。それには免疫力をつけることが大事。免疫力とは、簡単にいうと“異物を外に出す力”。 免疫とは、自分の身体を守るシステムのこと。私たちの体内に入ってきたウイルスや細菌など、体内に発生する異常な細胞を撃退し、病気を防いだり、病気になっても元の健康体に治してくれる働きのこと。そして免疫力が低下すると、口内炎・疲労感・風邪・インフルエンザ・肺炎・ヘルペス・アトピー・鼻炎などさまざまな症状を引き起こします」と話すのは漢方薬剤師・漢方ライフクリエーター樫出恒代さんだ。 免疫力が大事と聞きまず気になるのが、自分の免疫力の状態。以下の免疫力チェックで、いくつ当てはまるか、試してみよう。 【免疫力チェック】 □ 最近、疲れやすいと感じる □ イライラしやすい、怒りやすい □ 風邪を引きやすい □ 下痢や便秘になりやすい □ 最近、口内炎または結膜炎になった □ ちょっと具合が悪いと、すぐに薬を飲む □ 思ったことを口にできない □ 仕事や家事など、時間に追われている気がする □ 日頃から運動をしていない □ ときどき暴飲・暴食をすることがある □ 睡眠時間が不規則、または睡眠不足 □ 自宅周辺の交通量が多い □ たばこを吸う ●当てはまった数で状態をチェック 0個…とても健康! 1~3個…免疫力安心レベル 4~7個…あまり健康的とはいえない。免疫力下がり気味 8~11個…かなり疲れているはず。免疫力も低下している 12~13個…完全に免疫力低下状態。もしかしたらすでに隠れた病気があるかもしれない。 要注意 チェックはいくつついただろうか?自分を知ることはとても大切。その上で、ケアしていきたいもの。そこで、漢方!樫出さんがおすすめする漢方はこちら。 ■疲れやすい、やる氣がでない人に ○補中益気湯(ほちゅうえっきとう) 体力虚弱で元気がない。目に力がない。胃腸の働きが衰えて、疲れやすい。 虚弱体質 / 疲労倦怠 / 病後 / 術後の衰弱 / 食欲不振 / 寝汗 / 感冒 下がった「氣」をあげる効果もあるので、氣力アップにつながる。だが、ストレスなどにより「氣」が上がりすぎ、顔や頭に熱をもっている方には、補中益気湯は合わない場合もあるので、ご相談を。 ■疲れやすい、貧血、皮膚の乾燥に ○十全大補湯(じゅうぜんたいほとう) 補中益気湯と同じく、体力虚弱で、疲れやすい。 虚弱体質 / 疲労倦怠 / 病後 / 術後の衰弱 / 食欲不振 / などにつかう。 違いは、消化吸収力が弱いため栄養不足状態、貧血傾向、皮膚の乾燥、ガサガサ、色艶が悪い、ふらつきがある、手足が冷えるなどには、十全大補湯を使います。 ■眠れない、氣疲れに ○加味帰脾湯(かみきひとう) 不安や氣疲れ、疲れやすい、虚弱体質、貧血、ふらつき、めまいなどにも 体力低下だけでなく、氣もちが落ち込みやすい方に。「氣」と「血」を補ってくれる漢方薬。 「他にも免疫力をサポートする漢方薬はいろいろあります。漢方は自然の恵みであり、私たちの底力をしっかり支えてくれます」(樫出さん) そして、免疫力を高めるには以下のことを心がけて。 ◆免疫力を高めるために心がける5か条 1. 笑いのある生活(つくり笑でも) 2. ストレスを溜めない(気分転換を) 3. 定期的な運動(続けること) 4. 充分な休養と睡眠(ゆっくり・ぐっすり) 5. バランスのとれた食事(和食を) そして、オーバーワークしないこと、無理をしないこと、自分を大事にすること。 「新しい生活スタイルの中で思うようにいかないことも多い生活の中で、それでも、この状況がずっと続くわけではないのだから、明るく前を向いて笑って日々過ごして滞らないように。そうすることで、免疫力をつけて免疫力にしっかり働いてもらって、残りわずかな2020年も元氣に過ごしてください!」(樫出さん) 教えてくれたのは 樫出恒代さん 漢方薬剤師・漢方ライフクリエーター。漢方カウンセリングルームKaon代表。Kaon漢方アカデミー代表。新潟薬科大学薬学部卒業後、一人ひとりのこころとからだにていねいに向き合う漢方カウンセリングを提唱。連載の味わいあるイラストは、本人によるもの。 美容家吉川千明氏との共著に「内側からキレイを引き出す 美肌漢方塾」(小学館) 注:漢方薬については漢方専門の医師や漢方薬剤師、漢方アドバイザーなどにご相談・カウンセリングの上お飲みください。