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福祉作業所から街へステージへ プロのちんどん集団「ポズック楽団」、和歌山を行く

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 一般的に福祉作業所での仕事は内職作業が多い。そんな中、和歌山県の福祉作業所から、踊りを中心としたステージを繰り広げるプロのパフォーマー集団が誕生し、公演依頼が相次いでいます。障がい者の職業を選択する幅が広がっていくことを願って、活動を紹介します。

お馴染みちんどん曲に行進曲…鮮やか衣装、軽やかステップ

春の日差しが心地よい2月の休日。和歌山県紀の川市の古民家を借りた創(はじめ)カフェで、地元ポズック楽団のちんどんショーが始まった。  モンペ姿や吊りズボン、鮮やかな原色の衣装を身にまとい、道化師のような白塗りの顔に真っ赤なほっぺ。通所者がダンスを披露し、スタッフの演奏がお客さんをはやし立てる。  ちんどんではお馴染みの曲「美しき天然」やオリジナル曲「ポズック行進曲」に合わせて、通所者の中村大樹さん(27)は、壊れたラケットの網の部分に糸巻きボビンを通した「バトミントン楽器」をシャカシャカ鳴らし、センターで華麗に踊る。  隣で扇子を片手に高橋茉奈美さん(22)は衣装をなびかせた。ふだんは人見知りで黙々と絵を描いているが、ステージに立てば、軽やかなステップを踏む。  いつも元気な宮市匠さん(29)は、扇風機の羽を先につけた大きなでんでん太鼓を、勢いよく振り回すムードメーカー……。  スタッフのイラストレーター奥野亮平さん(39)と、妻麻美さん(36)も楽器でショーに加わる。亮平さんは、三線と廃材を組み合わせ自作した「四線」を奏でる。麻美さんは鍋や洗濯板をあしらった、ちんどん大鼓でお客さんを盛り上げる。  30分の舞台は、プロのパフォーマーとしての自信が満ちあふれ、会場は笑いと拍手につつまれた。

それぞれのペースで歩んでいこう

 社会福祉法人一麦会(いちばくかい)が運営する障がい者福祉作業所ポズックは「障がい者が芸術を生業」にと2014年、紀の川市に開所した。絵画や雑貨をデザインして、商品化し販売している。  ポズックは、スワヒリ語「ポレポレ(ゆっくり)」の「ポ」とオランダ語由来の「ズック(布製の靴)」の組み合わせ。「その人のペースにあった歩み」という思いが込められた。  ポズック楽団は通所者6人、スタッフ4人で活動している。  奥野夫妻は、1995年の阪神淡路大震災後に、ちんどん屋さんが被災地を笑顔にしたというニュースを見て、ちんどんに興味を持ち始めた。5年半前に廃材を使った楽器づくりのワークショップを試みて、集まったメンバーでポズック楽団を結成した。

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