【山口県】受話器が2つも? 西日本に2台だけの希少公衆電話
周南市のゼオンアリーナ周南の正面玄関近くにある、受話器が2つ付いた不思議な公衆電話が密かに話題になっている。 この公衆電話は「デュエットフォン」と呼ばれる希少な電話機で、デュエットフォンからかけた2人と受信した1人の合計3人が同時に通話できる。 1990年、NTTの電話事業100周年を記念して製造されたモデルだが、謎も多い。
希少価値高いデュエットフォン
携帯電話やスマートフォンの普及で公衆電話は少なくなり、このデュエットフォンは見たこともない人も多数。 管理しているNTT西日本によると、県内のデュエットフォンは同市のこの1台のみで、西日本では島根県津和野町にある1台と合わせて2台しか残されていないという。
なぜここに?
このデュエットフォンは元々、津田恒実メモリアルスタジアム側の敷地に設置されていたが、現在の設置場所であるゼオンアリーナ周南前のほうが利用者は多いのではと考えられ、2021年にこの場所に移された。 以前は同市美術博物館前にも1台あったがすでに撤去され、現在は福岡県の門司電気通信レトロ館で保管・展示されている。 これほど希少なものがなぜ同市に設置されたのか。市スポーツ振興課に知る人はいなかった。製造当時に何台作られたのか、どのようにして設置場所が決まったのか詳細な資料はNTT西日本にも残されていないという。
使い方は?
左右の受話器を使うことで3人での通話が可能。まず、送受信の役割を担う左側の受話器を上げ、次に右側を上げてから小銭やテレフォンカードを入れて、ダイヤルを押して電話をかける。 使い方はそう難しくないが、この電話機の周辺に3人同時通話の方法や、これがデュエットフォンだと明記された案内表示はない。 市は設置場所を提供しているのみなので、今後の運用については不明。NTT西日本によると古い電話機のため、故障などで撤去する場合もあるという。 公衆電話は災害時の通信規制時でも規制がかからず、停電でも電話ができるため緊急時の有効な通信手段。 いつまでこの場所で使えるかはわからないが、現存数が非常に少なく、災害時にも役立つこのデュエットフォン。事前に使い方を覚えて、いざというときに備えよう。