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“暴排先生”組離れに一役 「やくざに憧れる非行少年が激減」の声も

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西日本新聞

 全国で初めて事業者に暴力団への利益供与を罰則付きで禁じた福岡県暴力団排除条例の施行から今年で10年。同県内の暴力団勢力はピーク時の半分以下になった。警察などが資金源対策とともに注力してきたのが、暴力団への加入阻止だ。条例に基づく中学・高校への「暴排先生」の派遣は年間500校を超え、2019年度は約18万人に暴力団の実態を知らせた。地道な活動の成果もあり、更生支援の現場では「やくざに憧れる非行少年が激減した」との声が聞こえてくる。 【写真】撤去された工藤会の「象徴」  「暴力団を正しく知り、自分の将来を守ってほしい。みんなの『入りたくない』という思いが排除につながる」  2日午後、同県行橋市の行橋高では、教員免許を持つ女性が「暴排先生」として教壇に立ち、1年生約200人に訴えた。  暴排授業では「組員にとって上からの指示は絶対。拒めば暴力で抑え付けられる」と強調。手の指2本を「詰めさせられた」人の写真も生徒に見せた。組への上納金を払うため、犯罪でお金を工面するケースが多いことも説明した。  11年度に全国に先駆けて始まった暴排先生の派遣事業は、県警が教員免許を持つ人を雇用し、県内の中学・高校で授業を行う。19年度は中学356校、高校156校で実施し、約18万人が受講した。近年は、少年院や児童養護施設などにも派遣している。  県警が15年、補導などで警察署へ来た少年約350人に暴力団に関する意識調査を行うと、9割が「一度入ると抜けるのが大変そう」「怖い」などマイナスの印象を持っていた。暴力団の実態を知ったきっかけは、35%が「暴排教室」と回答したという。  非行少年らを受け入れる協力雇用主として活動する北九州市の40代男性は「最近は、やくざになりたいという子どもはまずいない」と明かす。非行少年と面談しても暴力団の話題はほぼ上がらないといい、「『暴力団イコール時代遅れ』のイメージが強くなっているようだ」。  県内の暴力団組員は減少し、19年は970人。1992年の統計開始以来、初めて千人を下回った。高齢化も進み、若者の「暴力団離れ」もうかがわせる。県警幹部は「若者が暴力団に入らないよう、今後もサポートを強化したい」と話している。

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