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特別延長労働、上半期の使用日数を「リセット」…揺らぐ週52時間制度

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ハンギョレ新聞

政府、上半期の使用日数「無効処理」 下半期に再び90日まで使用可能 「労働時間短縮政策に背反」批判

 政府は、業務量の急増などを理由として「週52時間超過勤務」を例外的に認める特別延長労働制の活用期間のうち、今年上半期の使用日数を「無効処理」することとした。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)危機への対応のための特段の措置というのが政府側の説明だが、企業に便宜をはかるために労働時間短縮政策基調を崩したという批判が出ている。  雇用労働部(雇用部)は14日、COVID-19事態への迅速な対応のため、今年上半期(1月31日~6月30日)に特別延長労働を使用した日数とは関係なしに、下半期に再び90日まで制度を利用できるように一時的に調整すると発表した。特別延長労働制は、特別な事情がある場合に、使用者が労働者の同意の下に、労働部長官の認可を受けて週52時間を超過する追加延長労働ができるようにした制度だ。昨年までは「災害・災難およびこれに準ずる事故収拾のため」にのみ許可を出していたが、今年1月31日からは企業の「突発的な状況」や「業務量急増」などの経営上の理由にまで範囲を拡大し、1年に最大90日まで週52時間を超える勤務を認めることにした。特別延長労働制の適用により、上半期中に90日をすべて使い切って週52時間以上働いた労働者は、今年1年間で最大180日間、週64時間の超長時間労働をしなければならない状況に置かれることとなった。  雇用労働部の集計によると、今年上半期に特別延長労働の認可を受けた企業は1665社で、「経営上の理由」にまで許容範囲が拡大される前の昨年同期(181件)と比べ、9倍にものぼった。COVID-19関連の認可件数1274件を見ると、その内容は多い順に、その他551件(43.2%)▽防疫547件(42.9%)▽マスクおよび診断キットの生産122件(9.6%)▽国内代替生産54件(4.3%)だった。今年1月から認められた「経営上の理由」で認可を受けた企業(666件)を分析すると、COVID-19との関連性が認められる498件は、生産量の増加230件(34.4%)▽リコールなどその他135件(20.3%)▽入国制限129件(19.4%)▽防疫114件(17.3%)▽政府支援金58件(8.6%)などの事業所だった。  労働界は、政府が週52時間制導入の趣旨を毀損したとして強く反発している。民主労総は今回の措置に対し「コロナ禍を口実として長時間労働を容認し、労働者の健康権と生命の安全を深刻に脅かすもの。労働部は、労働時間拡大の認可期間を任意に拡大するのではなく、むしろ人材を拡充する対策と支援を強化すべき」と述べた。労働健康連帯の労務士ユ・ソンギュさんも「国会が定めた労働基準法の基本原則は(週40時間勤務に)12時間を限度とする延長勤労が可能ということだが、労働部が経営上の理由さえ特別延長労働の認可に含めたこと自体が行政府の裁量の範囲を超えている。既存の誤った決定に加え、利用可能期間を延長した今回の措置により、問題がより深刻になった」と指摘した。 ソン・ダムン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

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