「アジサイ取らないで」金沢の民家で被害 注意促す張り紙も心無い行為やまず
明治期の果樹園の名残を伝えるカイドウリンゴの木で知られる金沢市高岡町の民家で3日までに、アジサイの花が切り取られ、持ち去られる被害が確認された。張り紙で注意を促したが、その後も心無い行為は続いた。アジサイがきれいに咲きそろうのを楽しみにしていた家人は「ひどすぎる。心を込めて育ててきたので悲しい」とうなだれた。 【写真】一体、何に使う?ごみネットの盗難が相次ぐ地区も 被害に遭ったのは、河野曜子さん(61)方で、アジサイは玄関と駐車場に植えていた。最初に被害を確認したのは先月22日。河野さんは、ようやく白い花が咲き始めた駐車場のアジサイ10輪のうち、半数が枝から切り取られ、なくなっていることに気付いた。 駐車場はロープが張ってあるが、またいだり、くぐったりすれば誰でも入れる状況だった。その後、河野さんは被害防止のため「花どろぼう不法侵入 警察に通報します」と記した紙を張り出した。 しかし、被害は続いた。3日後の25日には、玄関のアジサイの花がハサミのようなもので幾つも切られていた。河野さんによると、最後に水やりをした23日の夕方には、ピンクや紫の花が咲いていた。 ●過去にはリンゴも 河野さん方には、旧士族が営んだリンゴ畑に由来する木が植えられている。数年前にバスとの接触やカミキリムシ被害に遭い、弱っていたが、河野さんの父で、2年前に100歳で亡くなった御園直太郎さんが大切に守り、新しい脇芽が育っている。 河野さん方では過去にもアジサイのほか、リンゴの実が盗まれたり、ハーブが摘み取られたりしたことがあった。今回は切り取られた数が多いため、警察への相談も検討している。