今の学校は「感想文」を書かせすぎている…「子どもが自分で考える力」を養える"たった200字の訓練"
■学びのすべては日記に通ずる 【古賀】わかります。私も勝手に生きてる人の様を見るのが好きです。そういう勝手さを、他人の書いた日記で読むのも楽しい。 【鳥羽】僕は古賀さんの本のおかげで日記の可能性に気づかされました。学びのすべては日記に通ずるといっても過言ではない。見たことをそのまま書くトレーニングが、生き方を全面的に変えていきますね。日記は、継続的な革命といっていい。 【古賀】よく「日記を書くコツはなんですか?」と聞かれるんですが、自分の生活のユニークネスを、使い古した言葉を使わずに自分で見つけた言葉で書く。これに尽きると思っています。 自分の文章はおもしろくないという人がいますけど、私たちは一人ひとり絶対にユニークな存在なんです。だからそれをそのまま書くだけ。ワークショップをやっても、みなさん本当におもしろい文章を書かれるので、訓練さえすれば誰でも書けるようになります。毎日書くのはラクじゃないけれど、書いてみると絶対におもしろいんです。興味がある人には、最近は「無理してください」ってよく言っています(笑)。根性でやる、その価値はあると思います。 ---------- 鳥羽 和久(とば・かずひさ) 寺子屋ネット福岡代表・作家 1976年、福岡県生まれ。専門は日本文学・精神分析。大学院在学中に中学生40名を集めて学習塾を開業。現在寺子屋ネット福岡代表取締役、唐人町寺子屋塾長、航空高校唐人町校校長、オルタナティブスクールTERA代表。教室で150名超の小中高の生徒を指導する傍ら、とらきつね(本と文具・食品)の運営や各種イベントの企画、独自商品の開発などに携わる。著書に『君は君の人生の主役になれ』(筑摩書房)、『親子の手帖 増補版』(鳥影社)、『おやときどきこども』(ナナロク社)、『「推し」の文化論』(晶文社)など。連載に大和書房「僕らはこうして大人になった」、西日本新聞「こども歳時記」、筑摩書房「十代を生き延びる 安心な僕らのレジスタンス」、晶文社「旅をしても僕はそのまま」など。教育や現代カルチャーに関する講座、講演も多数(NHKカルチャー「推しの文化論」など)。 ---------- ---------- 古賀 及子(こが・ちかこ) エッセイスト 著書に『おくれ毛で風を切れ』『ちょっと踊ったりすぐにかけだす』(素粒社)、『気づいたこと、気づかないままのこと』(シカク出版)。2024年12月に『好きな食べ物がみつからない』(ポプラ社)を刊行予定。 ----------
寺子屋ネット福岡代表・作家 鳥羽 和久、エッセイスト 古賀 及子