角田陽一郎×西野亮廣(お笑い芸人・絵本作家)「『プペル』はコロナで涙した人たちへのエールでしかない」
『さんまのスーパーからくりTV』『中居正広の金曜日のスマたちへ』など、数多くの人気番組を手がけてきたバラエティプロデューサー角田陽一郎氏が聞き手となり、著名人の映画体験をひもとく『週刊プレイボーイ』の連載『角田陽一郎のMoving Movies~その映画が人生を動かす~』。 【画像】西野亮廣の人生を動かした映画 前回に引き続き、『映画 えんとつ町のプペル』で製作総指揮、脚本、原作を務める西野亮廣(にしの・あきひろ)さんにお話を伺いました。 * * * ――『プペル』がもうすぐ公開されますが、今どんな気分ですか? 西野 怖くて仕方がないです。もちろん、コロナっていうのもありますけど、でもそれは前からわかっていたことなので言い訳にならないと思っていて。そこに合わせて、あの手この手を準備しましたし。なので、そっちよりは、「気がついたら、いろんな人の期待を背負っていた」っていうことのほうが怖いですね。 僕は、何年か前とかは本当に「嫌われ芸人の代表格」みたいな感じで、日本中から叩かれていたんですけど、そのときはけっこう楽だったんです。人に好かれることも期待されることもないですし。 でも、どこかで潮目が変わって、「挑戦する人」のアイコンみたいになってる。いろんなところで苦しい思いや挑戦されてる方の支えみたいになって。そういうものを背負ってるってことを、公開が近づくほどひしひしと感じています。 ――なるほど。 西野 例えば、いろんな方が映画のポスターをプリントアウトしてお店に貼ったりとか、ボランティアでやってくださっているんです。そういう動きをずっと見てるから、今回の勝負で僕が失敗してしまうと、失望してしまう人がけっこう発生してしまうなって。自分が傷つくだけじゃないのは、初めての感じですね。 むちゃくちゃ怖いですけど、同時に「生きてる」って感じもします。やれることは全部やろうと思っていて、それこそ映画の前売り券の手売りとかもしてるんですよ。それで10枚売れただけでむちゃくちゃうれしくて、「売れた! ちょっと生存率上がった!」みたいな(笑)。