『報道の日2024』旧ジャニーズ被害者補償問題を特集 東山紀之氏「ゴールは一切決めてない」
膳場貴子キャスター「メディアは性犯罪を許さない社会を作る力に」
TBS系特番『報道の日2024』が29日に放送され、SMILE-UP.(旧ジャニーズ事務所)の被害者補償問題を特集した。SMILE-UP.は創設者・故ジャニー喜多川氏による性加害が明らかになったことを受け、被害者救済委員会を設立。昨秋から補償を開始しているが、被害者認定については「ブラックボックス化している」との指摘があることから、同番組が同社の東山紀之社長や被害者とされる元ジャニーズJr.のメンバーや親族を取材。番組としての姿勢も示した。 【写真】「この髪型好き」と絶賛の声…TBS田村真子アナの衝撃イメチェン姿 東山氏は、今月27日に同社が公式サイトで発表した被害補償申告者1011人、補償内容通知者538人などの内容を踏まえ「500人の数を考えますと、大変重大で重要に思います」などと実感を込めた。 その上で、同社内にある内部資料をスタッフ、弁護士の計50人でチェックするなどし、被害申告者がジャニーズ事務所に在籍していたか否かの作業を進めていると明かした。だが、番組側は「在籍確認はできなかった」と通知された元ジャニーズJr.のメンバーが、かつての仲間の協力を得た結果、在籍が証明され、同社による補償に至った例も伝えた。 東山氏も同番組・膳場貴子キャスターから「新たな証言などがあれば、(補償しないという)判断が変わる可能性があるのか」と聞かれ、新たな証言、証拠があれば判断が変わることもあり得ることを認めた。 東山氏自身は、ジャニー氏による性加害の「うわさは聞いていた」ことは公言している。それを踏まえ、番組では「(性加害を)確かめようとしなかったことは私の反省点」「生前になぜ止められなかったのか。それができていたら、被害は少なくできた」などと話した。確認に至らなかった理由については「年功序列だった」「僕自身が忙しかったこともある」などと説明した。 番組には、被害告発後、数多くの誹謗(ひぼう)中傷を受け、精神疾患に苦しんでいる元ジャニーズJr.のメンバーやジャニーズ事務所第1号アーティスト・ジャニーズの元メンバーである故中谷良さんの娘・江麗さんもVTR出演。江麗さんは涙を流しながら、東山氏と対面したことを振り返った。 「『(告発本を出した)反逆者だと思いますか』と聞いたら、『いや、思いません』という言葉と『事務所の大先輩として尊敬してます』という言葉をもらって……そこで反逆者じゃなく、勇気のある行動をした人として認めてもらいたい。そういうことで思い出してもらいたいと思いました」 東山氏は取材対応の中で「期限はつけず、(被害補償の)窓口を開けて対応していきたい。誹謗中傷の対策についてもです。ゴールは一切、決めてないです」などと明言した。そして、膳場キャスターはスタジオで「とにかく被害者の継続的な救済、支援が行われることを望みました」とコメント。同番組でMCを務めたお笑いコンビ・オリエンタルラジオの中田敦彦は「アメリカでの(性加害者に対する)賠償額は非常に大きいじゃないですか。ことの重大性をもう1度、国民で考えていく問題なんだと思います」と話した。 また、ジャーナリストの浜田敬子氏は「ジャニーズ事務所は当時インターネットメディアに出ないから、テレビ、雑誌にとってはありがたい存在だったわけです。だからこそ、報じにくくなってしまった」と被害拡大につながったとされる“メディアの沈黙”をあらためて指摘。その上で「メディア側の都合でダブ―をつくらないこと大事です」などと話した。そして、膳場キャスターが「メディアは性犯罪を許さない社会を作る。そんな力になりたいと思っています」と宣言し、この特集を締めた。
ENCOUNT編集部