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産業医は見た!コロナ渦中の官僚の今。激務で深刻さを増す人材不足

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BUSINESS INSIDER JAPAN

年間350時間、残業が常態化

木下氏が問題視しているのが、霞が関の慢性的な人員不足と残業の常態化だ。 人事院による「国家公務員給与等実態調査」によると、本府省(中央省庁)に勤務する国家公務員の超過勤務は、2017年には年間350時間、月平均29.2時間だった。 「一般労働者の平均の所定外労働時間は年間131時間で、国家公務員は多忙であることが分かります。 実際には、この数字よりも多く『サービス残業』している職員も多いのが実態と言われています。残業が多いのに給料が増えないことで、いくらがんばっても報われないという気持ちにつながらないか心配です」 新型コロナの影響で、業務量が増加している霞が関。人員不足はさらに深刻になっている。 「霞が関の仕事は、自分でコントロールがきかない他律的な業務が多いのが特徴です。 大きな問題が国会から降ってきたり、現場からの問い合わせに追われたり。そうした業務に対応するためには、本来ならば人員に適度な余剰が必要で、コロナのような緊急事態はなおさらです。 国会対応で深夜までの業務が続くとなれば、民間企業なら交代で勤務する人員を確保するのが普通だと思います。私が官僚だった当時から感じていましたが、その状況は変わっていません」

連日深夜2時まで働いた官僚時代

内閣府で3年勤務した後、研修医を経て精神科医になった木下氏。 なぜ官僚になり、そしてなぜ再び霞が関に関わっているのか? 親が精神科医だった影響で医学部に進学した木下氏だったが、少子高齢化問題への関心から、官僚を志すようになったという。 「霞が関に入って3年目で子育て支援制度の担当になり、少子化問題に取り組むことができました。 当時は国会答弁の用意のために、毎日午前2時3時にタクシーで帰ったり、終電で帰ったりしていました。土日も出勤して、休みがあれば1日寝ていました。深夜に食事をすることも多くなり、今より10キロも太っていました」 そんな生活の中で、知り合いの官僚が精神疾患を患うこともあったという。 「みんな『自分は大丈夫だ』と思いがちですが、そうではありません。特に睡眠と食事がとれなくなると、メンタルヘルスを崩す危険性は大きくなってしまいます」

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