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地球最大の東南極氷床、温暖化で解ける恐れ、従来説覆す

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ナショナル ジオグラフィック日本版

40万年前の間氷期の崩壊が判明、解ければ3m分の海面上昇

 地球上にある氷の8割を占める東南極氷床は、従来の予想より温暖化の影響を受けやすいかもしれない。 ギャラリー:南極の氷の下、水深70mの海で驚異の光景を見た 写真12点  これまで、地球最大の氷床である東南極氷床が最後に後退したのは約300万年前だと考えられていた。しかし、7月22日付けで学術誌「ネイチャー」に掲載された論文によると、この地域で採取された鉱物を分析したところ、40万年前にも大部分が崩壊していたことが示唆された。何よりも意外だったのは、長く続いたものの比較的穏やかだった間氷期に、劇的な変化が起きたと推定されたことだ。  その時期の大気中の二酸化炭素濃度はさほど高くなく、300ppm程度だったと、米ネブラスカ大学リンカーン校で南極の氷河の歴史を研究しているデビッド・ハーウッド氏は説明する。 「それが怖いところです」とハーウッド氏は言う。というのも現代の二酸化炭素濃度は、すでに1915年には300ppmを超え、今では410ppmまで上昇しているからだ。40万年前は現在よりも海面が高かった。だが、この余分な二酸化炭素によって、今後数百年で地球の気温や海面は40万年前よりはるかに高くなる恐れがあると氏は懸念する。「未来にとって良い兆候ではありません」  グリーンランドや西南極などの氷床は、来世紀には失われると予測されている。グリーンランド氷床は北極から遠く、暖かい空気にさらされているし、西南極氷床は海面よりかなり下にある岩盤の上に乗っていて、暖かい海流に触れているという事情がある。一方で東南極氷床は、酷寒の南極点を含むうえ、その大半が温暖な海から隔絶された陸地の上にあるため、比較的安定しているだろうと考えられていた。 「東南極氷床は何十年も無敵の鎧(よろい)を着ていました」と、今回の研究に参加した米カリフォルニア大学サンタクルーズ校の氷河学者スラベク・トゥラチュク氏は言う。この氷床が縮小することなど、「つい最近まで、ありえないとされてきました」  今回の発見が正しければ、東南極氷床は予想より早く海面上昇をもたらすことになるかもしれない。東南極氷床を含め、今後数百年で解ける可能性がある氷がすべて融解した場合には、海面は13メートル上昇すると予想されている。人類がこれまでに作り出してきた温室効果ガスは、この予想を確実なものにしてしまったのかもしれない。

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