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佐藤二朗、俳優は「裸一貫の仕事」 歳を重ね実感した芝居の醍醐味:インタビュー

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 佐藤二朗が登場すると空気が和らいで安心感が生まれる。作品にもよるが、その存在感は観るものを穏やかにさせる。20代の頃は「売れたい」と自分の芝居をやることに躍起になっていた。その当時演出家・鈴木裕美氏に言われた「相手役とのセッションは芝居の醍醐味」という言葉は40歳の頃になって実感した。「その方が楽ですし、楽しい」。それが良く表れた作品の一つに今回のAmazon Originalドラマシリーズ『誰かが、見ている』(9月18日配信開始)が入るだろう。「緊張感はありましたが、楽しかった」。それは画面越しに伝わってくる。

緊張と楽しさ、そしてチームワーク

 三谷幸喜氏からオファーを受けたのは、同氏が作・演出を手掛けた舞台『愛と哀しみのシャーロック・ホームズ』の時だった。「三谷さんが書く本への信頼はありますので嬉しかったです」。心待ちにしていたのは『幽かな彼女』でも共演経験がある香取慎吾との“セッション”。「素晴らしい俳優だと思っていますので、お客さんの前でがっつりと絡める芝居ができることが一番の楽しみでした」  失敗ばかりなのに何故か憎めない舎人真一(演・香取慎吾)を、書斎の壁に偶然発見した“穴”からのぞき見て楽しむ隣人・粕谷次郎を演じる。同じ舞台で主要キャストが繰り広げるシチュエーションコメディ(シットコム)で、120人ほどの観客を前にほぼワンシチュエーション、カメラを止めずに撮影する。  「三谷さんからは、セリフを忘れようとも段取りを間違えようともカメラは止めずにやります、と言われました。それをやけに僕に言うんですよ(笑)。僕もこの座組で最年長の部類に入るものですから『俺についてこい』という気持ちで臨みましたが、1話の開始7秒でセリフが飛んでしまいまして、挙句の果てに『誰かセリフを!』と叫びまして。でも周りが言ってくれたのは『二朗さんが早々にセリフを忘れてくれてお客さんも笑ってくれたから気が楽になりました』ということでした。もちろん、わざとではないですよ。途中で止められないので緊張感はありますが、それが故の楽しさもありました」  そう語り、記者も和ませる。  シーンごとに撮り分けているわけではないため、舎人がメインになるシーンでも粕谷側は演技を続ける必要がある。難しいのは互いの掛け合い。のぞき見する穴が必ずしも舎人の部屋全体が見られるわけではない。死角も生まれる。頼りになったのは助監督によるキュー出しだ。  「舎人が部屋の奥で何かをやっていると穴からは覗き見ることができない。ですので、ずっと見えているつもりで演じなければなりません。例えば舎人が水をこぼした時、その合図を助監督のキューで知らせてくれて。そうしたケースが多いですから助監督は大変だったと思います」  キャストだけでなく、スタッフを含めてのチームワークが求められる現場だった。  「稽古も舞台と比べたら短いです。各話だいたい半日ぐらいで、リハーサルを何回かやる程度。それはキャストのためだけではなくて、助監督のキュー出し確認や、動きを把握するためのカメラポジションも。そういう所は時間かけて確認しました。でも毎回ドタバタで。そういうのも含めて楽しかったです。きっとお客さんも楽しんで頂けたと思います」

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