スペインで生まれ育った“日本代表”バンデラ吉田健太が母国と対戦!「もっと日本語を話せるよう努力したい」
バレンシア州アリカンテにて行われた国際親善試合でU-16日本代表は同世代のU-17スペイン代表に1-5と敗れた。その試合で誰よりも悔しい表情を見せていたのがDFバンデラ吉田健太(カラベラCF/スペイン)だった。 今年に入ってから継続的にU-16日本代表に招集されているバンデラ吉田健太は、スペインのアンダルシア州カディス生まれ。父はスペイン人、母は日本人のハーフで、日本で暮らした経験のない生粋のスペイン育ち。名門ベティスの下部組織に所属し、今季はベティスからのローンでカラベラCFのユースチームでプレーしている。 この日は4バックの左サイドバックとして先発出場し、攻守でアグレッシブなプレーを披露したものの、マッチアップしたのがU-17スペイン代表の中でも飛び抜けたタレントの10番イゴール・オジョノ(2ゴール、1アシスト)であったため劣勢を強いられる局面が目立った。以下、バンデラ吉田健太とのスペイン語での一問一答。 ――試合の総括は? 「自信を持っていい入りはできたと思いますが、早い時間(前半3分)に先制され前半終了間際にも失点したことで後半は相手のペースとなりました。後半は相手の決定力が完全に上回りました」 ――この試合におけるスペイン代表と日本代表の違いは? 「一番の違いはコミュニケーションだと思います。特に自分は日本語が話せないので、チームメイトとのコミュニケーションに苦労しました。もっと日本語を話せるよう努力しないといけないと感じました」 ――具体的にチームメイトとはどうコミュニケーションを取っているのですか? 「英語で会話しようと試みていて、それも難しい時は通訳の人に入ってもらっています。それと同時に、日本語のボキャブラリーを増やそうとしていて、実際に使ってみようとはしています」 ――改めて日本代表でプレーしてみての感想は? 「日本代表でプレーすることは誇りです。招集してもらえるのであれば、常に日本代表の一員としてプレーしたいと考えています」 ――あなたの経歴を教えて下さい。 「カディスで生まれで、今はベティスの下部組織でプレーしています。母は大阪出身の日本人で、父はカディス生まれのスペイン人。日本には何度も行っていますし、日本の文化やスペインにないものを持っているところはとても好きです」 ――ということはスペイン代表としてプレーする権利もありますね? 「はい。スペイン代表を選ぶ権利も持っていますが、日本代表に招集され高いレベルの選手たちとプレーができることがわかっているので、今は日本代表を選択しています。日本代表でのプレーは自分のレベルを引き上げてくれるものと確信しています」 ――ポジションは左サイドバックですか? 「今のチームでは左のセンターバックとしてプレーしています。ただ、局面に応じて左サイドバックのようなプレーもしていますし、監督が望むポジションでプレーすることができます」 ――今日はイゴールとのマッチアップでした。難しい相手でしたか? 「彼がとてもいい選手なのは知っていましたが、そこはあまり気にしないようにしていました。あくまで相手チームの一人として認識しながらプレーしていましたし、ずっとそういう感覚でプレーできたと思います」 取材・文=小澤一郎
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