明徳義塾、鮮やかな逆転で4年連続8度目の選手権へ!
2年ぶり3度目の選手権出場を狙う高知西と、4年ぶり8度目の選手権を目指す明徳義塾とによる決勝戦。3年前は激闘を1対0で制した高知西が選手権初出場を決めている両校の決勝戦対決は前回と勝るとも劣らない好勝負となった。 【フォトギャラリー】高知西 vs 明徳義塾 前半は無得点での初戦敗退を味わった2度の選手権経験を経て、「私学相手でも主導権を取りにいく」(寺尾 拓監督)チーム作りに取り組む高知西が川澤俊樹(3年)、岡本青龍(3年)の両サイドMFの仕掛けを軸にゴールへ鋭く迫れば、今季は試行錯誤の末、サイドMFも守備に関わる3-4-3システムを確立した明徳義塾は中央を固めてからのカウンターで対抗。 27、31分に明徳義塾がFW持田憲伸(3年)が続けざまに決定機を演出すれば、高知西も30、33分にFW甫喜本晴貴(2年)が際どいシュートを放つなど、まさに一進一退の展開は39分、ビューティフルゴールによって動きが生まれる。 PA左のあまり角度のない位置で直接FKを得た高知西は、レフティのFW辻本智哉(3年)と岡本がボールの前に立つ。これまでのFKの弾道からここはゴール前に合わせるものと誰もが思ったが……。 「実はあの位置からのFKは練習でも自信を持って蹴っていた」と指揮官も手ごたえをひそかに感じていた岡本の右足キックから放たれたボールは明徳義塾GK禿蒼生(3年)のジャンプをかすめ、逆サイドネットに強烈に突き刺さる先制点に。両校の部員・ご父兄に限られた観衆からも思わず声が生まれる先制点。そのざわめきも解けぬまま試合はハーフタイムに入った。 ただ、高揚感と落胆が交差する中でも1980年度・第59回全国高校サッカー選手権で西目農(現:西目・秋田県)のFWとしてキックオフゴールの偉業も達成している明徳義塾・小松晃監督は極めて冷静だった。「全然楽しめてないぞ。もっと楽しめ」とまずは選手たちの気持ちを整えた上で、続いて前半途中から問題が生じていた守備の改善策を指示。 「前半はDFラインに吸収されていたボランチの位置を高めにおいて、DFラインも上げてコンパクトにすることで後半は修正できた」とキャプテンのDF松下総龍(3年)も振り返ったように、後半、明徳義塾は格段に状態を上げてきた。 小松監督は同時に3トップの立ち位置も修正する。後半からは持田、泉幸輝(3年)の2シャドーをよりインサイドに置くと同時にに3トップの頂点には「前半は3トップが張りすぎていたので自分が少し落ちてボールを受けることを心がけようとした」喜納瑠唯(3年)を投入。さらに54分からは右サイドに原山元(2年)を入れるなどフレッシュな選手でサイドの制圧にも務めた。