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ジム・ジャームッシュ監督、初ゾンビ映画で示したロメロ愛!現代人へ警告

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シネマトゥデイ

 日本公開がスタートした映画『デッド・ドント・ダイ』で、キャリア初のゾンビ映画を手がけたジム・ジャームッシュ監督が、本作が発するメッセージとゾンビ物への思いを語った。 【動画】ティルダ・スウィントンが刀でゾンビ退治!  インディペンデント映画界の雄として、良質なアート映画を手がけてきたジャームッシュ監督が、まさかのゾンビ物に挑戦した本作。ビル・マーレイとアダム・ドライヴァーふんする警官コンビのゆるい会話劇など、オフビートな雰囲気が漂うコメディーだが、生前の消費行動にしばられたゾンビ描写などから、社会的なゾンビ映画を作り続けた、ジョージ・A・ロメロ監督の影響を感じさせる。

 「正直、僕はゾンビ自体は好きではないんだ。僕が好きなのは、ゾンビをメタファーとして使うジャンルの映画。だからこそ、ロメロは僕にとってすごく大事な監督だった。ロメロがいかにして、社会的意識をああいう映画に取り入れたのかということが、すごく大事だったし、興味深いと思ったんだよね」

 本作の公式インタビューでジャームッシュ監督は、現代の人々がゾンビ化していると主張し「みんなが自分のことしか考えられなくなっている。そういう生き方が結果的に世界を破滅に追いやっているのに、多くの人が無関心だ。僕らの周りにはそんなゾンビ人間が増えている。スマホ中毒やコンピューター中毒のような」と語っていた。

 『デッド・ドント・ダイ』も本来は『コーヒー&シガレッツ』(2003)のような「人々がバカげたほど平凡なことを話し続ける映画」としてスタートしたが、完成した映画は、ただのホラーコメディーでは終わらなかったという。「最初はそういう脚本を書いていた。そうした(コメディーとしての)側面は完成した映画にも残っているけど、最終的にこの映画で大事になったのは、警告だと思う」。

 「人によっては、その警告が好きじゃなかったって言うんだよね。もっとありきたりのコメディーにしてほしかった。警告はいらない。単なるエンターテインメント映画を作ってほしかったと思っている人達がね。だけど、僕らはすごく意識的に、ありきたりのホラー映画にしないように心がけたんだ」

 ちなみに「ウォーキング・デッド」も見たことがないというジャームッシュ監督だが、『ショーン・オブ・ザ・デッド』(2004)、『28日後…』(2002)、『ワールド・ウォー Z』(2013)などのゾンビ映画は観ているということだ。「韓国映画の『新感染 ファイナル・エクスプレス』(2017)も観ているよ。『新感染~』は、内容的にはほとんど『デッド・ドント・ダイ』とは完全に真逆と言える内容で、しかもワイルドでものすごく怖いゾンビを描いた傑作だと思ったよ」。(編集部・入倉功一)

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