特産ユズで香り一服 水パイプ開発 岐阜の業者
ドリップチップ(電子たばこの吸い口)などを製造するdeNi(でに=岐阜県関市)の松田貴啓代表は、地元特産のユズの香りが楽しめるオリジナルの水パイプ「デニカクテル」を開発した。水パイプは水たばこ用の器具として知られているが、開発品ではタバコの葉を使わないため、煙にニコチンやタールを含まない。新しい楽しみ方として提案しながら、特産品のPRに一役買いたい考えだ。
ニコチン・タールなし
関市では古くからユズが栽培されており、県内有数の産地だ。水パイプは、タバコの葉などを熱して出た煙をガラス瓶に入った水にくぐらせて吸う仕組み。中東などで喫煙具の一種として広く普及しており、日本でもバーなど提供する店が少しずつ増えているという。 個人事業としてドリップチップなどを手作りする松田代表は「喫煙器具の印象が強く、健康に悪いと思われがちな水パイプのイメージアップを図りたい」と、独自商品の開発に着手した。 レモングラスや柿の葉など約50種の天然素材を混ぜたものを炭火で熱し、煙が最初のボトルの水をくぐった後、第2のボトルに入ったユズ果汁を通る仕組みを考案した。煙の余分な成分が水でろ過されてからユズ果汁を通過するため、果実の新鮮な香りを長時間維持できる。 松田代表は「ニコチンやタールを含まないので、健康に気を使う人にも気軽に楽しんでもらえるはず。天然素材だけを使う“水薬草”として、多くの人に味わってもらいたい」と話している。 動画投稿サイトなどを使い、地元のユズと共にPRしながらバーなどにレンタル利用を働き掛けていく。既に県内の店舗から引き合いを受けているという。近日中に自宅の一部を改装し「水薬草」を楽しめる店もオープンさせる計画だ。「ユズ以外にも地元産のみそや野菜など、フレーバーラインアップの拡充も図っていく」構えだ。
日本農業新聞