Yahoo!ニュース

IDでもっと便利に新規取得

ログイン

10月からプライム昇格の「勇者ああああ」 なんとなく見てしまう魅力は“大人たちの放課後”感にあり

配信

  • この記事についてツイート
  • この記事についてシェア
ザテレビジョン

8月27日、ある深夜のゲーム番組が放送の最後に、土曜のプライムタイムに“昇格”することを発表した。アルコ&ピースがMCを務める「勇者ああああ~ゲーム知識ゼロでもなんとなく見られるゲーム番組~」(テレビ東京ほか)だ。 【写真を見る】芸人たちが満面の笑みを浮かべる、まるで修学旅行のような1枚 “「ゲームの面白さを何となくでもいいから伝えたい」をテーマに芸人達が体を張って様々なゲーム愛に溢れた企画に挑む! 全てのゲーマーとお笑い好きに送る新型バラエティー!”(公式サイトより抜粋)という同番組だが、プロデューサー兼演出を務める板川侑右氏は「クイック・ジャパン ウェブ」の連載(8月28日更新)内で視聴率は“0.2%”だと発言している。 視聴率が決して高いとは言えなくても“昇格”を勝ち取ったこの番組の魅力とは――。今回は、2017年4月のスタートから3年半経って昇格を迎えるに至った「勇者ああああ」に迫っていく。 ■ ゲーム番組とうたっているが、番組内容は“バラエティーど真ん中” “ゲーム番組”と聞くと、最新ゲームソフトやはやりのゲームのテクニックの紹介などをイメージする人も多いかもしれない。確かに、対戦型格闘ゲームの世界大会“EVO”や世界最大のゲーム見本市「E3」などを訪れる“ゲーム番組ならでは”の海外ロケも行われているが、それは年1回程度で、基本的には「ゲーム知識ゼロでもなんとなく見られるゲーム番組」という副題の通り。 アルピーとゲストが順番にコマンド入力のお題に挑戦し、全員ノーミスで成功したらお題クリア、誰かがミスをしたら連帯責任で“ビリビリ”の罰ゲームというバラエティーの定番フォーマットとも言える企画「コマンド危機一髪」から、野球ゲームでeスポーツ選手と野球好き芸人が対決し、ハンデとして野球好き芸人には野球のエピソード披露で得点が加算される「実況パワフルハンデマッチ」などのこの番組ならではの企画まで、毎週さまざまな企画で“バラエティーど真ん中”を突き進んでいる。 ■ 新たな一面を見せる芸人たちと秀逸な“芸人イジり” 「勇者ああああ」のレギュラーはMCのアルコ&ピースとナレーションの相田周二(三四郎)だけで、各回にラブレターズやGAG、野田クリスタル(マヂカルラブリー)らさまざまな芸人たちがゲストとして出演。彼らは時折、他の番組では見せない一面を見せ、急に輝きを放ちはじめる。 この番組の名物となった、好きなゲームをひたすら紹介する企画「ゲーマーの異常な愛情」では、突出したゲーム愛と知識、プレゼン力を発揮したノブオ(ペンギンズ)やヤマグチクエスト、元テレビ東京アナウンサーの田口尚平らが注目を集め、番組内の人気者に。実際、彼らはこの番組がきっかけでゲーム関係の仕事が増えたという。 GAGの宮戸洋行は事前にゲームを猛勉強して現場に現れ企画を成功に導く真面目さを発揮し、「キングオブコント」の決勝にも進出したことのあるななまがりの森下直人は、“架空の物まねタレントが架空の芸能人の物まねをする”というネタで爆笑を起こした。 また、芸人の“イジり方”も「勇者ああああ」は秀逸だ。 今年7月に開催された「テレ東無観客フェス2020」のステージでは、はんにゃ、フルーツポンチ、しずるが登場。彼らだけ、人気絶頂を誇った2011年当時(東日本大震災で放送されなかった「ピラメキーノG」の最終回)という設定でイベントを実施。アルピーらは観客席から今の彼らの実情を吹き込む形で、ステージ上の人気者たちをイジり倒した。 さらに、リズムネタとリズムゲームの合計得点で競い合う「リズム-1グランプリ」では、「やっちまったなー!」のフレーズでブレークしたクールポコ。が、それ以前にHip Hopネタをしていた頃のコンビ名“サシャナゴン”として出演。当時のネタ披露にきまりが悪そうだが、なぜか高評価を受けて1位を獲得してしまう様子が笑いを呼んだ。 ■ 「勇者ああああ」は週に1回やって来る“大人たちの放課後”だ そんな「勇者ああああ」だが、最大の魅力はこの番組の、アルコ&ピースがつくる“雰囲気”だろう。 ゲームに慣れていない芸人がゲームに挑戦していると、おぼつかない操作に対して周りからは落胆の声が漏れてくるし、アルピーとゲストが負け残りのトーナメントで戦い、最後まで負け残った人が罰ゲームを受ける「RIFUJIN FIGHTING FEDERATION」では、平子祐希が誰が何の罰ゲームをするかを決める段階から本気でゴネる。 MCのアルピーが学生服を着てこの番組に出ているからというわけではないが、それは小中学校の頃、放課後に誰かの家に集まって友達たちと繰り広げられていたのと同じ光景だ。 2010年台後半には、「遊☆戯☆王」や「デジモン」などが20周年を迎え、当時小中学生だった人たちをターゲットにしたコンテンツや商品が多数展開された。 ハチミツ次郎(東京ダイナマイト)は出演時に、この番組は“P1層”(パチンコ店に休日の朝から並ぶような人たち)向けだと言っていたが、実際は小中学生の頃に友達と放課後にスーパーファミコンやニンテンドー64、PlayStationで遊んでいたM1層(20~34歳の男性)やM2層(35~49歳の男性)たちが、かつての放課後を懐かしんで見ているのではないだろうか。 2019年には放送100回記念として、アルピーと準レギュラーの出演者たちが静岡・熱海の旅館に泊まり込みでゲームに挑む企画も放送。7人の大きくなった“小中学生たち”が小さな浴槽でギュウギュウになりながらも笑顔を浮かべている光景は、(板川氏も自身のインスタグラムで書いていたが)まさに“修学旅行”のような、同年のバラエティー番組屈指の名場面だ。 今は新型コロナウイルスの影響でそのようなロケは難しいかもしれないが、土曜の夜になっても変わらず、ゲームで一喜一憂する放課後の大人たちの姿に期待したい。(ザテレビジョン)

【関連記事】