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60歳夫の借金額に絶句「助けてください」エリート家族の末路

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開業医の家庭には、特有の相続リスクがあります。早めに対策を取るべきですが、相続対策を教えてくれる顧問税理士はなかなかいません。家族が気づければいいものの、相続発生後に大惨事になる例が後を絶たないのです。そこで本記事では、相続・事業(医業)承継コーディネーターの芹澤貴美子氏が、実際に遭遇した悲劇を紹介します。

「どうしても、すぐに会ってほしい」と連絡があり

夜10時。待ち合わせは、夕食の時間をとうに過ぎた和食系のファミリーレストランでした。「どうしても、すぐに会ってほしい」と、ある女性奉仕団体に所属する医療法人の理事長夫人が、決算書をどっさり抱えてやって来ました。理事長であるご主人には内緒で持ち出して来たのです。 こんな時間に、こんな場所で、お目に掛からなければならないほど、彼女は切羽詰まった状況なのでしょうか。 奥様は実は、60歳を前に心臓の具合が悪くなってきたご主人の相続の発生が近いことを予感し、医業経営に関して、以前から抱いていた不信感が一挙に込み上げてきたのでした。それで居ても立ってもいられなくなり、私にSOSの電話をしてきてくれたのです。 ご主人の病院は患者さんも多く、それなりの利益も上げているはずなのに、ご主人が株の取引を始めてからというもの、お金がいつも足りません。税理士の先生がいらっしゃると、奥様は部屋から出されてしまいます。何か自分には聞かれたくない話があるのだということを、奥様は空気で感じていました。 医師になった次男が病院を継ぐ気で、受験を控えた息子がいるのに戻って来てくれています。それなのに、こんな経営状況で大丈夫なのかと、奥様は不安でたまらない様子でした。 案の定、彼女の勘は当たっていました。 決算書を開いて、私は自分の目を疑いました。思わず、シャープペンシルの先で決算書に並ぶ「0」を数え直しました。なんと、ご主人は、医療法人から8億円もお金を借りていることになっていたのです。 「これは一体、どういうこと?」 「8億円って、何?」 私の頭にいくつもの疑問が浮かび上がりました。 聞けば、どうやらバブル時代、ご主人は株でいい思いをしたらしく、それから株取引にはまって、にっちもさっちもいかない状況になってしまっていたようです。バブルが弾けた後、損失を取り戻そうと「今度こそ、今度こそ」と投資を続け、取引額は徐々に大きくなっていきました。 そして、自己資金は底を尽きました。それでも後に引けないご主人は、挙げ句の果てに事務長個人からもお金を借りたり、手持ち資金の何倍もの取引をする「信用取引」に手を出してしまっているようでした。奥様はその事実を、事務長との会話で知ってしまったのです。

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