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『水曜日のダウンタウン』でも扱えなかった。水島新司作品の露出が少ない現状を悲しむ

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名作ぞろいの水島新司の作品を未来につなぎたい。だが近年、大手メディアで野球マンガを取り上げるとき、水島新司作品について触れることは、よしとされない傾向がある。水島マンガ評論家でもあるライター・オグマナオトが、悲しい現状を訴える。 【画像】水島マンガを愛する筆者の蔵書の一部

水島マンガを語ることはタブーなのか?

9月23日の『水曜日のダウンタウン』(TBS)で「野球漫画史上最強の防御率No.1投手ランキング」なる企画が放送された。歴代の人気野球マンガから50作品をピックアップし、「規定投球回数は50イニング以上での防御率上位10人をランキングする」というもの。 ツッコミどころは満載である。小学生も中学・高校もプロも同じ土俵で語るのは無理があるし、高校とプロは成績を合算しているのに、星飛雄馬は左投げと右投げでは合算していなかったのも謎。そもそも、50作品に何を選んだのかも明かしてほしかったところだ。 それでも、野球マンガファンとしてこういった企画が地上波で流れることはやはり歓迎したい。初めて作品の存在を知り、「じゃあ読んでみようかな」となった層もきっといるはずだ。 だからこそ、とても残念だったことがある。ランキングを作成する上で、「『ドカベン』『あぶさん』『野球狂の詩』など水島新司作品は作者の意向により対象外」としていたことだ。 少年野球から中学・高校・大学・社会人、そしてプロ野球。さらには女子野球に草野球まで。野球におけるほぼすべてのカテゴリーを舞台に30作品以上を生み出しつづけた、まさに日本野球マンガの象徴的存在ともいえる水島新司の作品群。その存在をスルーして野球マンガ全体のことを語るのは、正直言ってかなりナンセンスと言わざるを得ない。 ただ、これに関しては番組に同情したくなる点がある。TBSの藤井健太郎プロデューサーのツイートでは、水島作品も集計していたことを明かしているからだ(大変だったろうに……)。つまり、集計してランクインする選手もいたのに、収録前の「画像の許可取り」で水島プロダクションからOKが出なかった、ということなのだろう。 正直、またかと思った。大手メディアで野球マンガについて何かを語る際、水島新司作品について触れるのは近年、よしとされない傾向があるからだ。 その理由は明確にはなっていない。が、さまざまな情報・状況から推察するに、1.ほかの野球マンガと並列で扱われたくない。2.水島作品の露出をそもそも抑えたい、というふたつの意向があるように思う。 ■野球マンガの歴史を語る雑誌で、水島作品だけ書影が載らない謎 まずは「1」について、具体的事例を振り返ろう。 2014年と2015年、野球日本代表「侍ジャパン」を盛り上げるため、時代や出版社の枠を超えて「野球マンガ日本代表」が選定されて話題となった。 選ばれたのは、集英社からは『キャプテン』『プレイボール』の谷口タカオ、『ROOKIES』の川藤幸一。小学館からは『タッチ』の上杉達也と『MAJOR』の茂野吾郎。講談社からは『おおきく振りかぶって』の三橋廉、『ダイヤのA』の沢村栄純、という顔ぶれだ。 このラインナップが発表された際、「『ドカベン』や『あぶさん』を入れずに“野球マンガ日本代表”を名乗るのなんてダメでしょ」という声はもちろんあった。 いったいどんな大人の事情があるのか? 背景が見えてきたのは、この「野球マンガ日本代表」を中心に紹介するムック本『野球マンガ大解剖』(サンエイムック※2015年9月発行)のページをめくったとき。「野球マンガの歴史」をまとめたページで、水島作品の記述はあるのに書影掲載が一切なかったのだ。この歴史ページにおいて、水島作品以外で書影のない作品はほかになかった。 一方で、別ページでの「『ドカベン』紹介コーナー」では書影掲載はできていた。ここから、1.ほかの野球マンガと並列で扱われたくない、という意向があるのは明白だろう。 水島新司といえば、野球マンガの歴史を切り開き、発展させた大功労者だ。その自負とプライドがあるからこそ、他作品と並列で扱ってほしくない、という考えになるのは仕方がないのかもしれない。が、それだけで終わらないからこそ問題の根は深い。ここで浮かび上がるのが、2.そもそもの露出を抑えたい、意向についてだ。

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