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音楽は仕事の集中力アップに役立つ? 心理学者が「最適な組み合わせ」教えます

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ニューズウィーク日本版

<どんな作業のときにどんな楽曲を聴けば、ノリノリで仕事がはかどるのか。リモートワーク中の人たちのために、心理学者が実験を行った。本誌「リモートワークの理想と現実」特集より>

巣ごもり生活が長引き、子供がいる家庭では自宅がオフィス兼学校兼子供の遊び場になっているはず。そんな環境では何時間も集中して仕事に取り組むのはとても無理だ。【ジョン・アイエロ(ラトガーズ大学心理学教授)、マヌエル・ゴンザレス(ニューヨーク市立大学バルーク・カレッジ博士課程)】 ●動画:新型コロナウイルス不安への対処の方法 音楽を聴きながら仕事をしたらどうだろう? 音楽が大好きな私たちは本職の心理学の手法でこの問いに挑んでみた。 音楽がスポーツや数学などのパフォーマンスにどう影響するかを調べた先行研究は多くある。だがこうした研究の多くは特定の能力に的を絞ったものだ。私たちは多くの人の参考になるよう、大まかな設定で音楽の効果を調べることにした。 実験では、被験者に2つのタイプの課題を与えた。1つは簡単な課題で、単語のリストを見てアルファベットのaを含む単語にバツ印を付けるといったもの。もう1つはより難度の高い課題で、単語のペアをいくつか覚え、片方の単語を見て対になる単語を思い出す、などだ。 被験者の一部は音楽を聴かずに、これらの課題に取り組んだ。その他の人たちは音量が大きいか小さい楽器演奏、または単純か複雑な音楽を聴きながら課題をこなした。ここで言う単純な音楽とは、楽器は1つか2つで、メロディーが頻繁に変わらず、テンポもおおむねゆったりしたもの。複雑な音楽とは、多様な楽器で編成され、メロディーが頻繁に変わり、テンポがおおむね速いものだ。 <知的リソースをどう使うか> この実験で興味深い結果が得られた。簡単な課題では、音楽なしのグループと単純な音楽を聴いたグループの成績はほぼ同じで、複雑な音楽を聴きながらやったグループの成績が最も良かった。逆により難度が高い課題では、音量の大小や旋律の複雑さにかかわらず、音楽を聴きながらやったグループのほうが、音楽なしのグループより成績が悪かった。 この結果から何が分かるだろう。 私たちの解釈はこうだ。音楽を聴くことと課題をやることはいずれも知的リソース(資源)を使う。知的リソースが十分に使われていないと、退屈して注意が散漫になるが、逆に知的リソースを超える負荷がかかった場合も疲弊して集中が途切れる。 簡単な課題はあまり知的リソースを使わずにこなせるので気が散りがちだ。その場合は音楽を聴けば適度な刺激が与えられ、単調な作業でも飽きずに続けられる。一方、難しい課題ではそれだけで知的リソースを使うので、そこに音楽が加われば過大な負担になる。 つまり課題の難易度と音楽のタイプの「最適な組み合わせ」があって、知的リソースが最適に使われたときに最も効率が上がると考えられる。加えて、音楽の効果には個人差もありそうだ。 音や周囲の事物など外部の刺激に注意を向ける度合いは人によって違う。私たちの実験では、外部刺激に注意を向けがちな人は、簡単な課題に取り組む場合でも複雑な音楽を聴くと成績が悪くなった。 まとめれば、比較的単純な反復作業をするときは、音楽を聴けば効率アップが期待できる。だが知的リソースを目いっぱい使う仕事をやるときは音楽なしのほうがよさそうだ。 蛇足ながら、あなたがノリノリで仕事をこなせる音楽が、周りもノリノリにするとは限らない。音楽を聴くならイヤホンを使おう。 <2020年5月19日号「リモートワークの理想と現実」特集より> The Conversation Manuel F. Gonzalez, PhD Candidate in Industrial-Organizational Psychology, Baruch College, CUNY and John R. Aiello, Professor of Psychology, Rutgers University This article is republished from The Conversation under a Creative Commons license. Read the original article.

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