ウクライナ、ロシア兵に対する戦争犯罪裁判を開始 民間人殺害容疑
ウクライナ当局は13日、ロシアの侵攻による戦争犯罪裁判を開始した。この日は、21歳のロシア兵が、非武装の民間人を殺害した容疑で被告席に座った。 ヴァディム・シシマリン被告はこの日、ウクライナの首都キーウで行われた予審に出廷。有罪となれば終身刑となる可能性がある。 ウクライナはこれまでに、ロシア軍によって行われた数千件もの戦争犯罪疑惑を特定しているとしている。 一方のロシアは、民間人を標的にしていないと主張。この日の裁判については声明を発表していない。 検察官によると、シシマリン被告は他の兵士と共に盗難車で北東部スーミ地域を走行中、自転車に乗って電話を使っていた62歳の民間人と遭遇した。被告はその際、ウクライナ側に位置を知られないよう、この民間人を射殺するよう命令されたという。 シシマリン被告が逮捕された経緯や、犯行についてどのような証拠が示されているのかは明らかになっていない。 被告は人定質問に対して、名前など身元に関する基本情報を確認した。罪状認否はまだ行っていない。審理は来週に再開する。 ロシアが一時的に掌握していた地域では、これまでに数百人の遺体が見つかっている。 ウクライナと、イギリスやアメリカなどの同盟国は、ロシアがジェノサイド(集団虐殺)を行ったと非難している。 アンドリイ・シニュク検察官は公判後、ロイター通信の取材に対し、「今日の裁判は1つ目だが、これから同じような裁判が沢山始まるだろう」と話した。 (英語記事 Ukraine tries first Russian soldier for war crimes)
(c) BBC News